ケアンズの夜空 〜 降るような星の元で。
今日、お店にいらしたお客様に「ケアンズは、空も空気も街も、すべてがきれいですね!」と言われました。インドのニューデリーにお住まいで、青空は見た事がないそうです。ひどい時は数メートル先も見えないとのこと。
住んでいると当たり前になってしまうのですが、空気がきれいなことも、空が澄んでいることも、本当にお金に変えられない貴重さだなあと思い出させていただいた次第です。
この環境が続いていくように、何をしたらいいのか。私にできることはしれていますが、暮らしの中でできる範囲のことをしています。
例えば、牛乳や、スープなどが残っても流しに流さないとか。(どこかの記事で、コップ1杯の牛乳を流しに流すと、魚が住める状態に戻すのに浴槽16杯分の水が必要と読んだことがある)
油っぽいお皿は、紙でふきとってから洗うとか。(紙の無駄ではあるけど。。)
洗剤やシャンプーも植物由来のを使ったり。
あ、あとパウチでも扱わせていただいているKokebeeさんのエコラップも楽しく使っています。サランラップの使用量はかなり減りました!
もう、肌の色とか国籍で分ける時代は終わっていて、地球人としての自覚を持って行動する時代。
地球に住まわせてもらっているという意識を1人1人が持つ必要があります。
カントリーをたたえるアボリジニの人と話していると、つくづく彼等は、大地の守り人だと感じます。行動の指針というか、ハートのど真ん中に、カントリー(大地)への敬意が揺るぎないものとしてあるんです。
進歩がない原始人だと揶揄されることもあった彼等が、実は地球に生きる人間として最も大切な意識を持ち続けている。。
先日、心と体で「いま、わたしは地球の上にいる」と感じた素敵な時間を過ごしました。
こんな夜は、自分がいかにちっぽけな存在なのかがハッキリして。
そんな自分に、人生という一瞬の夢の舞台を与えてくれる、母なる大地や、空や。。取り囲む全てをただ崇めるしかないのでした。
ケアンズから車で1時間ちょっと走っただけなのに、肌に当たる風はひんやりと冷たく、空は一段と近く。
私の頭上を横切るのは、天の川。
私たちは、いつも、こんなに美しい宇宙の協奏曲の下にいるのですね。
心を、その調べに合わせたときに訪れたのは「畏敬」の念でした。
もう、降参するしかないでしょう。
大地とも宇宙とも、溶け合ってしまって、自分(エゴ)なんてなくなってしまう。
何とも言えない静寂は、優しく受け入れてくれるゆりかごのようでもありました。
赤ちゃんみたいに、私たちは守られながら生かされています。
強く、温かく照らしてくれる太陽が姿を隠したとき、安らぎの中で、自然と謙虚な気持ちになれる。
壮大すぎる宇宙の旋律。
私は、そのハーモニーを乱さない存在であろうと思いました。
ゆりかごに抱かれたような私を、見事に捉えてくださったカメラマンのYumiさんに、心から感謝します!
このロケーションには導かれるようにしてたどり着き、私たち自身もどんな写真が撮れるか全くわからなかったんですよ。
天体にとても詳しいNayutaさんが、月明かりが強いと星が写らないため、月の入りの時刻や天の川の位置を調べてくださって、これらの奇跡のショットが実現しました。
実は、肉眼ではこんなにたくさんの星は見えていなかったんです。
レンズは捉えてくれるんですね。目に見えないけれど、実はそこに在るものが、本当はたくさんあるんだろうな。
ただ、レンズに収めるのも、誰もができることじゃありません。このブログのヘッダー写真を撮ってくださったのもYumiさんですが、彼女は、その場に流れる空気感や、目に見えない美しいものを瞬間的に映像化できる方。
ご本人は、天気が味方してくれたとか、私は撮り易くて楽しい撮影だったとか、あくまで謙虚でいらっしゃいますが。。
技術の高さだけでなくて、調べに心を合せられる希有なカメラマンさんだと思います。
ケアンズの多彩な自然の素晴らしさをお伝えしたい、っていう大まかな私の希望を、本当に美しい形で表現してくださいました。(今回の夜空以外でも1000回以上シャッターを切っていただいてます)
それにしても、夜の撮影って大変なんですね。
何十秒も待ってシャッターを切るから、ストロボをたく時間も、合図に合わせて。
1回1回ピントを合せる時間も必要で。。何しろ真っ暗過ぎて、自分の手元も見えない中で撮影してくださったので、お互い声だけが頼りだった。
「この合図の後から次の合図まで、恵子さん動かないでくださーい」
「は、はい」
とは言え、私は気持ち良くゆらゆらしていたので全然大丈夫でした。いつもなら、すごく寒さに弱いのに、何故か平気でしたし。。多分、心が夜空に溶けていたから(笑)
「あと10分くらいで、天の川が下に沈むよ」
焦りはしなかったけど、ちょっぴり時間も気にしながら、Yumiさんは少しづつ角度を変えたり、小物を取り入れたり、違う向きから光を当てたりして、雰囲気の違うショットを撮ってくださいました。
どれも素敵で選べないので、載せておきます。
上の写真は、小物を使って色で遊んだ1枚。ふと見たら、ワラビーがケーブルをかじってたりして(笑)
そうそう、わたし達3人とも、流れ星も何度も見ました。
「あそこに固まってる星たち、キラキラして目立ちますね」というと「あ、あれはプレアデス星団ですね。和名はすばるです」とNayutaさん。
ネットで調べたら「プレアデス星団は、約6000万~1億歳とされる年齢の若い青白い高温の星の集団」だそうです。これで若いなんて。クラクラします。
ちなみに、写真には、射手座やわし座が写っているとのこと。
天の川の右の上の方、ひときわ輝いているのが、わし座のアルタイル。七夕の彦星のことだそう。
パウチトラベルで、この日わたしが体験したような、星達に抱かれるようなひとときを過ごすツアーを企画しようかな。乾期限定のスペシャルツアー。
普段見えないけれど、わたし達を生かすために満ち満ちているすべてに。
それを感じさせてくれた美しい夜に。
その夜の空気を思い出させてくれる奇跡のショットに、乾杯!