豪州の天才ピアニストDavid Helfgott氏が気づかせてくれた、人生と旅と音楽の関係

  2018/03/28  幸せのヒント

先日、インターネットをしていたら「デイビッドとギリアン 響き合うふたり」という映画の予告動画が出てきました。アカデミー受賞映画「シャイン」のモデルになった天才ピアニストと、彼を支える奥さんのドキュメンタリーです。

 

 

神童と呼ばれながら精神を病み、11年間もピアノを触れなかったというデイビッド氏。治療を受けている間、「今を生きる〜Live in a moment」という言葉を支えに日々が過ぎたと言います。

想像を絶する心の痛みを長い時間かけて昇華した彼の、深く純真な人としての輝きに心が震え、たった数分の予告編なのに、涙が。。

 

その中で彼が言ったことばが、特に胸を打ちました。

Life is a journey. Not a destination.

 

わたし達は、目的地を決めて、そこに向かうにはどうしたらいいかを考えがちだけれど、本当はどこも目指さなくていい

旅そのものを楽しめば

そう解釈しました。

 

会う人を抱きしめ、すべての出来事にまっすぐなデイビッド氏の姿は、人生(自分も他の人も)を真に祝福しています。心から楽しみ、満たされている。

 

目的地を決めると、そこに向かうしかないから、道は自然と狭くなります。

デイビッド氏のように、今いる場所を感謝の気持ちで楽しんでいれば、様々な扉が開かれ、道がついていくのでしょう。

保証がなく、勇気がいる生き方ですね。でも、彼は上の動画で「勇気があれば人生は開かれる」と言ってます。

 

 

中には、目標を定めなければ、流されるだけで、向上しないという人もいます。

でも、今を楽しまずに、もっともっとと先ばかり見て渇望し続ける姿勢は、果たして向上と言えるのでしょうか?

「わたしは、わたしの幸せを生きる」という”意志”がある限り、やってくる出来事を受け取る生き方は、流されているのとは違います

 

わたしの幸せは、一体どんな形なのか〜 自分の人生のビジョンを持つことが大切で、ビジョンを描くキーは、自分に正直に生きること。

 

昭和世代のわたしは、波風立てず、周りに合せるのがいいことという風潮の中で育ってきたので、自分の心が本当は何を望んでいるのか、わからない状態が長かったです。

 

小学校のときは、意見を言うと先生から「子供らしくない」と嫌がられました。なぜか毎年学級委員で、生徒会までやってましたが(自分はイヤでも友達が勝手に推薦してなってしまうパターン)、面倒なので意見は言わない子になっていった。

 

オーストラリアに来て、レストランで何を選ぶか、なんていう日常の1つ1つから(昔は値段とか、他の人が選んだものが基準になってた気がする)。。What wold you like?と繰り返し聞かれる度に、自分に聞く習慣がついていきました。

「わたし、今何がほしいんだろう?」

 

 

いい年して見切り発車が多いので、走り出してから、本当に自分はこれやりたいのかな、と考えることもしばしばですが、不安はあまりありません。

この道を行ってみよう!と自分で決められるワクワク感、こんな景色だったんだ!という意外性に満ちた喜び(または落胆)を味わえているから。

損することもあるし、痛い目にあうこともある。

でも、旅路としては楽しい。馬鹿だな〜と思われてるかもしれませんね(笑)

 

先日ビーチに散歩に行こうとしたら、初めて気がついた小道があって。

どこにつながってるんだろう、と楽しく歩いてたんですが、蚊は多いし、大雨の後でワニ(!)が出てきたら嫌だなとう気持ちになって、引き返しました。

選んだ道を途中で引き返すっていう選択も、全然ありです。

目的地にこだわり過ぎると、失うものもある。

大切なのは、自分の意志で選んで進んでいる ことだと思ってます。

 

自分の心に正直な生き方をしている人には、還る場所があります。

そこはとても安心な場所で、外で何が起ころうとも、受け入れる勇気があれば、また立ち上がる力を与えてくれる場所です。

 

 

デイビッド氏の関連動画を見ていて、「旅」という言葉ともう1つ、豊かな人生を送るヒントを受け取りました。

あまりにピュアなピアノの旋律が

瞬間瞬間で消えゆく音を、心を込めてただ連ねる。

音楽を奏でるように生きればいい。

と語りかけてきたのです。

 

この一瞬も、どんどん過去のものになっていく。それならば、「今」出している音に心を込めるしかありません。

メロディは「一瞬の音」の重なりで創られる。

一瞬の音は、演奏する人の「在り方」で決まる。

美しい旋律ができるのか、不協な音になってしまうのか。。全て、自分次第なんだと改めて気づかされました。

 

クラシックが好きな人も、ロックが好きな人もいて、それぞれが好きなスタイルで音を奏でればいい。

でも、ピュアな調べだけが、風に乗って遠くまで運ばれていく

そして、同じ調べを美しいと思う人どうしが、響き合って音を重ね合い、美しくスケールの大きな音楽ができあがります。

 

今、わたしはどんな音を奏でているのだろう。

 

http://davidhelfgott.com/gallery/gallery.phpより

 

もし、自分の活動やしごとに広がりを感じないとしたら。。

そもそも、演奏をしていないのかもしれません。

楽譜を覚えてから始めよう、もっと練習しないと恥ずかしい、下手くそって文句を言われるんじゃないか。。色々な想いが交錯します。自分を表現するのは恐い。演奏しなければ、失うものもなくてラク。

でも、自分の音を奏でない限り、誰の心にも響くことはないのです。

 

成功している人は、自分が楽しくて夢中で演奏して。気がついたら他の人も混ざってきて、何だか素敵なメロディに包まれている。そんな風にみえます。

 

 

デイビッド氏の奥さま、ギリアンさんは「しごとと成功」について、インタビューでこう語っていました。

「あなた自身が大好きなことに人生を費やさなければ。どんなレベルか、ファンタスティックな内容かどうかなんて関係ないのよ。地位も役職も関係ない。真心と愛をこめて、あなたが大好きなことをする。そして心が満たされる。それこそが成功だと思うわ」

 


 

夜中に、お2人の動画をいくつも観た翌日は、プライベートツアーのご予約が入っていました。

笑っちゃうくらい、ざんざん降りの雨。目的地なんて決められない。

結局、林に囲まれた素敵なカフェで、すべてを洗い流すような雨音を聴きながら、生命の樹カウンセリングになりました。

「音」を扱うお仕事をされているお客様の人生の分岐点に、「旅先」でほんの少し関わらせていただいて。

ものごとの捉え方etc..あまりの共通点の多さに、ご縁の不思議と感謝を感じつつ、わたしの頭の中ではデイビッド氏のピアノが鳴り響いていたのでした。。

 

最後に、彼がモデルとなった映画、SHINEの動画貼っておきますね。

 

幸せのヒント

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