KENTA HAYASHIさん 〜 ワンネスの世界へ誘う音のクリエイター

  2018/01/24  幸せのヒント

久々に夜のお出かけ。伺ったのは、7週間のオーストラリアツアーの最終日、KENTA HAYASHIさんのライブです。

このライブをオーガナイズされた友人のDaisukeさんから、心にしみ入る音だから、ぜひ!と勧められて、あまり前情報のないまま会場へ行ったのですが。。

 

最初の音で、持って行かれました。

KENTAさんが弾いた弦が、異空間の入口をノックした。

 

 

アコースティックのどこか切ない音。懐かしさを感じるような、無国籍のメロディ。

いや、国境なんて超えた、もっと大きな。。

自然の中に流れている音を顕在化させたような、不思議で心地の良い音とリズムに、魂が反応しました。

目をつむって音に身を委ねていたら、知らない記憶というか、懐かしい未来というか、説明のしがたい感覚が胸に広がって。

 

見える世界と感覚の世界の間を漂いながら、

わたしが感じていたのは「ワンネス」の世界。

 

足元のループペダルを巧みに使って自分の声やリズムをその場で録音し、ギターの音に重ねてゆく。

一人の演奏とは思えない、深みのある音の世界が会場を包み込みます。

ときには切なさを。ときにはグルービーなリズムを刻んで。

 

自由自在に生み出される音は、流れ行く時の流れそのもの。

二度と戻ってこない瞬間の美と力を内包していました。

 

「美しい夜を一緒に創ろう!」と呼びかけるKENTAさん。

細胞を活性化すると言われる444Hzのバイブレーションを届けてくれ、オーディエンスの身体も自然と反応します。

軽やかだけど重厚、流れるようであり刻むようでもあり、何とも不思議なパラレルワールド。

 

Antiek Tattoo Gallery(オランダ)の投稿より。Photography by Ray Zandvoort @analoguesouls ギター、ループペダルを使いこなし、独特な世界を創る。

 

「僕の曲は、人生そのものが音に映し出されたものです。出逢った人、芸術、本、映画。。すべて。」

KENTAさんのボディには、タトゥーが入っています。それは、人生の節目節目の想いを刻むため。

「自分でデザインしてます。人から見える向きに彫る方が多いみたいだけど、僕の場合は自分が見える向きで。自分のエモーションを刻印したいから」

生きることに向き合っている方なんだ、と思いました。大切に味わった瞬間瞬間が全て音になる。

 

「昔は、理論や頭を使って書いていたけれど、今は降りてくる感覚です。湧き出てくるものが曲になる。

創りたい欲がすごくて。夢の中で最高の曲が生まれることも多く、頑張って起きて記録するんだけど、朝みると、どうも違う。いつか夢の中の曲が再現できたら最強ですね(笑)」

 

右はオーガナイザーのDaisukeさん。「Kenta Hayashiの音楽を1人でも多くの人に聴いてもらいたい」と奔走されてました。大変なしごと、お疲れさまでした&感謝!

 

音楽を志したのは、15歳のとき、同級生がギターを弾いているのを見て、単純にカッコいいと真似したことがきっかけ。その後先生について学び、学校のある日は7〜8時間、ない日は1日15〜16時間ギターを引き続けたそうです。

「ギターに出逢ってすぐ、これで生きて行くっていう感覚がありました」

好きだったバンドがいるアメリカに行って仲間を募ろうと、18歳のとき単身渡米。その後8年間アメリカで過ごします。「音楽で食って行くことはできない、と親には反対されましたけど。1年かけて本気を見せて。今はすごく応援してくれています」

 

 

飄々と語るKENTAさんですが、渡米後の行動力もすごくて、ハリウッドで結成したファンクロックバンドは世界の数々のバンドバトルで優勝、アルバムには世界一のパーカッショニストと名高いLenny Castroも参加。

ロックの大御所バンド、レッドホットチリペッパーズのFleaから直接助言を受けてアルバム制作をした事でも話題を呼びました。

華々しい活躍を経て、震災の直後、帰国。ソロ活動を始めてからは、Usenインディーズチャート1位を獲得したり、Fujiロックフェスに出演したり。

言葉の壁を取払い、人々の想像力をかき立てる。。「ワンマンオーケストラ」とも賞される、ギターとエフェクターを駆使した今の演奏スタイルを徐々に確立していきます。

 

現在はベルリンに居を構え、ヨーロッパ、オーストラリアとツアーで各地を巡る日々。

ワールドワイドな活動は眩いばかりですが、KENTAさんは演奏を続けるために、自ら動いています。様々な事務作業を昼間にこなし、夜は大好きな音楽に没頭する時間と決めて、実務と創作、両方ともしっかりこなしているんです。

つてのない土地でも、自ら調べて連絡を取って、演奏をするうちに他からも声がかかって、という連鎖。2015年のヨーロッパでは、大きな会場からストリートまで、ライブした数は2ヶ月で64本!

 

「ストリートはやってみたらすごく楽しかった。無限大の可能性を感じます」

 

現地で出逢った人のつながりで、次のライブが決まることも多くて、インドではマザーテレサがいた院とか、セレモニーをする場所とか、普通は演奏しないような場所でもすることができたそう。

流れに乗る柔軟さ、こだわりのなさ、どこにでも溶け込むオープンさが、彼を次の場所へと運ぶのです。

オーストラリアには、今後も1年に1度は来たいとのこと。地球最古の森の中での演奏や、DNA修復?イベント。。と楽しい空想で盛り上がりました。グラミー賞を本気で狙う実力を持ちながらも、「いいっすね。ぜひぜひ」とノリがいい(笑)。

 

「不安?はないですね。あるとしたら、同じ人と同じ場所にずっといる状態のときかも。アメリカ住んでたときは、セドナの辺りを鍋1つ持ってさまよったり(笑)。旅してるときは安堵感があります」

 

 

あるとき、スピリチュアルな覚醒を経験したというKENTAさん。

「世界の見え方が変わった。もっと柔軟になった。狭い世界にいるより、完全に心を開いていく心地よさを知ったんですね。

魂って言うんですか。。目に見えないディープなものがあるのを感じ、そこに感情がからみつつ、ボディがあり。

聖なる自分がストーリーを創ってるってわかった。

今ここにいる意味〜 単純に、好きで楽しいことをしているっていう芯が僕にはある。」

一切の疑いもなく。純粋に突き進む人間の、柔らかな強さを彼に見ます。

 

 

演奏しているときは、大きなものから何かが降りて来て、自分はただのフィルターみたいな感覚。

「音と人が共鳴して、お客さんとの化学反応で場のエネルギーがグッと変わります。会場がスカスカだと、音もスカスカになるし。

昔はトランス状態みたいになって無心で演奏していたけど、最近はゾーンに入りながらもお客さんの姿を意識しつつ。双方のやりとりが楽しいですね。」

 

〜 見えない音と聴こえる世界。夢を追う純粋さと日常の実務作業。トランス状態の自分と客観視している自分〜

演奏を聴いているときも、お話しているときも、彼が2つの世界を自在に行き来していることを感じました。

 

 

今後目指していることを伺うと、瞬時に

「世界中の、たくさんの人に僕の音楽を聴いてもらいたい。各国の大きいイベントに出たい。何万人も入るような大きい会場で。お客さんと一体になれたらこの上ない喜びです」と答えてくれました。

でも、その想いの源は、自分以外のところにあります。

 

「ライブで歓声を上げてる時に、闘おうとか、

ネガティブなことを考える人っていないと思うんですよ。

ピースフルですよね。その瞬間を増やしたいんです。」

 

「生きてるけど、眠っているような人。今以上を求めない人。それもいいけど。。僕の音楽を聴いた人が、“楽しむことを選ぶ”っていう良い方向に向かって覚醒してくれたら。ライブの瞬間だけでもね。音楽は強い力を持っているから。。」

 

勇気と責任を伴う「自分の大好きなことだけを選ぶ生き方」を貫く彼の、自由でピュアなソウルが生み出す音は、言葉にならないメッセージを私たちに届けてくれます。

 

 

尊敬するアーティストのように、スピリットが生き続ける名作を残したい。と言うKENTAさん。

「目指せグラミー賞!ワールドツアー27カ国その全てを新アルバムに込め世界に放つ!」という題目のクラウドファンディングで、181人のパトロンと、目標を大きく超えた160万円強を集め、来月から待望のアルバム制作に入ります。

ツアーで訪れた27カ国でのドラマが、どんな音に昇華されるのか。。今から楽しみです!

 

●KENTA HAYASHI Official Website
http://kentahayashi.com/

●ツイッター
https://twitter.com/kenta1156

●インスタグラム
https://www.instagram.com/kenta1156

 

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