大地と宙につながる乳製品〜マンガリクリーク・デイリーを訪ねて

最近、ケアンズ・オリジナル旅行のコーディネートのしごとで、来週お越しになるグループ様の訪問先の下見に回っています。何度も訪れたことがある場所であっても、責任者の方とお話すると発見があるもの。

今日はその中のひとつ、Mungalli(マンガリ)Dairy Creekについてシェアしますね。

マンガリさんは酪農家で、ケアンズ高原に自社のミルクやチーズを作る小さな工場を持ち、可愛らしいカフェも営んでいます。

 

 

ここの乳製品は、まろやかさやコクが他社のとまるで違う!ミルクはコーヒーにいれると、クリーミーな味わいになるし、ヨーグルトは酸っぱくなく、味が丸くて濃厚。大好きで、毎日いただいています。

今回、オーナーのミシェルとお話して、その美味しさの秘密がわかりました。

 

マンガリの酪農製品は、

大地だけでなく、宙とつながっていた!

 

「食べ物は、限りなく自然に近い形で生産されるべきだと思っている。絶え間なく自然と闘うのでなく、自然の法則の中で農を営んでいるわ」。

 

そんな言葉どおり、天体のリズムに従う「バイオダイナミック農法」を実践されています。

 

 

バイオダイナミックは、ドイツの人智学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した有機農法(オーガニック栽培)の1つ。シュタイナーと言えば、学校を作った方としても有名ですね。

日本ではまだ少数の農家さんしか取り入れていないようですが、ドイツやフランスなどではかなり普及していて「世界最高の有機農法」として知られています。

特徴は、

● 自然のリズムとの調和を重んじていること
● 健康な土壌作りと、植物の組成力増進を図っていること
● 持続可能な農業であること。

 

農民の間で伝わってきた、星の運行による農事暦の知恵がシュタイナーによって体系化され、その後の研究や実践で、成果が認められてきた形となります。

 

すべての生命は、地球上だけで完結しているのではなく、
地球を含む宇宙の営みからも影響を受け、調和しながら生きている

 

という根本的な思想を持っており、太陽、月、惑星と地球の位置関係や月のリズムを重視した、特殊なカレンダーを用います。

 

作物は、実を育てる野菜、葉もの、根菜、花の4つに分類され、それぞれの 種まき、苗植え、耕うん、調合剤の準備や施肥、収穫にふさわしい日付や時間が記されています。

 

 

ある農家さんの記事に、バイオダイナミック農法が素晴らしい理由として、次の3つが挙げられていました。

1)大自然と、愛&ダイナミズムにあふれた関係を築ける
2)誰にとっても良い食べ物を創りだすことができる
3)地球を癒すのに最も効果的でコストがかからない方法である。

 

とはいえ、自然のリズムと循環を大切にするということは、クイック&イージーではありません。

だって、調合材ひとつですら、牛糞を牛の角に詰めたものや、水晶の粉を牛の角に詰めたものなどを、雨水に入れて1時間かき回すといった手間ひまがかかっているんですから。(この調合材を土に撒くと、大地の生命力を高める効果があるそうです。)

農薬や化学肥料をいっさい使用しないということは、大量生産には向かないから、よほど信念がないと実践できません。

 

マンガリは、31年間もバイオダイナミック農法をしています

120ヘクタールという広大な農場内で飼われている牛や鶏、土壌、草、えさ、排泄物にいたるすべてのものが、ここで生み出される製品に関わって、味や品質をより一層向上させているんですね。

 

 

以前訪れたときの1枚。マンガリ農園/工場&カフェは、景色と高原の風がばつぐんに気持ちいい場所にあります♪

 

 

ミシェルとは初対面だったのですが、握手したときに、笑顔が何て素敵なんだろうと「ビックリ」しました。

にじみ出る温かさに一瞬で包まれ、やわらかい信念を感じて。。こんなオープンな笑顔の人に、たぶん会ったことがない。

 

真に聡明な方は、全体を想う気持ちが底にあり、今目の前のことに集中できるスッキリした思考の持ち主だと思います。ミシェルはまさにそんな方でした。

わたし達に対しても、スタッフの方に対しても、そして、動物や地球に対しても。全てに等しく、まっすぐで優しい。

 

後でFacebookページを見ていたら、愛と感謝にあふれる投稿ばかりで、眺めているだけで癒されました。。子牛が生まれたとか、スタッフの誰々さんが駆けつけてくれたお陰で牛乳を出荷できたとか。。

 

彼女と話していると「つながり」という言葉が浮かんで仕方なかったです。

 

 

 

マンガリは自社の乳製品を作るだけでなく、周りの農家さんにもオーガニックで質が良い酪農に転向するように声をかけ、彼等のミルクを買い取って、ミスティマウンテンというブランドで売り出すビジネスもしています。

 

大手のスーパーに値段を叩かれて泣く泣くしごとをする酪農家の方が、そのサイクルから出られるように導いているんです。指導するだけでなく、買い取って市場を開拓するという責任の取り方、何より「一緒に豊かになろう」という在り方に、感動します。

 

地球にも人にも体にも優しい、イノベーティブな働き方。。

今回はお互いに時間がなかったので、いつかこの辺りの彼女の想いをゆっくり聞いてみたいな。

 

買い物は投票と一緒。誰かが支持しないと、良いものであっても消えてしまう。だからわたしは少しくらい高くても、出来る限り地元のものを買っています。安いからって遠くから有限の燃料を燃やして、空気を汚して輸送してくるのもどうなんだろうと思うし。まあそんな理屈抜きでも、マンガリの乳製品は美味しいから、おすすめです♥

 

 

工場や思想や農場を見せてもらった今、製品のラベルにある

Naturally Perfect という言葉が、より響きます。

 

あるがままでパーフェクト!

その自然を生かす宇宙と、生命力を信じて、手間ひまかかる作業で私たちに製品を届けてくれるマンガリ&農家の方への感謝と共に味わいたいと思います。

 

大地と宙につながるMungalli Creek Dairy の製品。ケアンズのスーパーでも売られています。

全て
●バイオダイナミックAグレード認定 ●グルテンフリー ●保存料、着色料 無使用
●GMO無使用 ●マンガリの金賞受賞ミルクを使用

MCD Gold Medal●国内州内で120以上の賞を受賞。クイーンズランド州ロイヤルフード&ワインショーにおいて、2011,2012年はチャンピオン・ミルク、2015年はチャンピオン・ヨーグルトに選出されました。


高原に出向いた際は、1964年からマンガリを営むワトソン一家が代々暮らしていたファームハウスを改造したカフェもおすすめ。オーガニック&地元産のフルーツや野菜などの食材を使った新鮮なメニューが揃ってます。自家製チーズケーキやコーヒーもあり。

 

Mungalli Creek Dairy
254 Brooks Rd  10am -4pm (2月、クリスマスは休業)

 

 

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