地球人であることを思い出す特別な1日。

先週は、ケアンズで40年以上に渡って松本空手道場を主宰された松本先生のご逝去、そして下の子の18歳の誕生日があり、いのちを想う時間が多かったです。

流れて消える、日々の何気ない会話や交流は、本当にかけがえないものなんだなと。。色んな想い出が一気に押し寄せ、切なさと共に「常に一期一会の新鮮さを持って、人や出来事と関わる自分で在りたい」と改めて思いました。

 

 

さりげなく過ぎていく私たちの日常の舞台として、「大地」が静かに横たわっています。

支えてくれている大地(地球)を想うとき、人生の一瞬の関わりを大切にできる人間になっていきます。

私たちはみな、等しく大地の住人だから。

同じ大地を踏みしめ、皆つながっているのだから。

 

先住民の方々はこの感覚と共に生きています。代々変わらず、ずっと。

だから、彼等が大地について話すとき、忘れかけていたことをリマインドされ、いつも私の心は震えてしまうのです。

 

 

ケアンズから車で1時間ほどの美しい川へ、Kaiziと行ってきました。彼は、私のお店で扱っているココナッツオイルの作り手で、木曜島とパプアニューギニアに程近い島出身のアイランダー。

このエリアには40年以上も暮らしていて、地元のアボリジニの人々とも、一族のような関係なのだそうです。

 

自然発酵で丁寧に抽出された、ケアンズ産バージンココナッツオイルができるまで。

 

彼のココナッツオイル作りの作業場であるご自宅は何度か訪ねたことがありますが、一緒に自然の中を歩いたのは初めて。

来週(10月16日)行うツアーで、作業場見学の前に自然の中へ行きたいと言ったら、案内してくださったのです。

1度だけ来たことがあるここは、美しい川と滝がある、知る人ぞ知る観光スポット。

 

 

車を停めて歩き出すと、「You are safe with me」(わしといれば安全だ)と言われ、何も考えていなかった自分を知りました。

 

先住民の人は、無自覚に自然の中に入りません。

私たちが神社で、鳥居をくぐる前に礼をするように、大地のスピリットに対して「今、参りました。正しい気持ちで入るのでお守りください」というような心持ちでその土地に入ります。

以前、聖地に行ったときは煙を炊いてお祈りの言葉を捧げてから入りましたが、同じことを心の中でされているのです。

 

ケアンズから訪ねたアボリジニの聖地 Kija〜「大地に流れる歌が聞こえるか?」〜

 

強い午後の日射しを避け、清らかな清流のほとりへ行くと、当地ならではのユーカリやワトルが涼しい木陰を作っていました。

「この枯れた葉っぱで、カゴを編んだり、ヘッドピースを作ったりするんだ」

「あと少しで、この樹に本当に美味しい実がなる」

「ああ、この樹の樹皮を赤ん坊を入れるカゴに敷いたものだ」

 

 

よくあるオーストラリアのブッシュの風景が、Kaiziといると生命の息吹を感じる特別な場所に見えます。

ゆりかごの中にいるような、不思議な安心感。

 

頂上の滝に向かう山道を歩きました。砂埃が舞っています。そっと大きな石を拾って脇に置くKaizi。「政府は、この道を人工的なもので覆おうとした。わしらはそれを止め、歩きやすいトラックにした」

そうだったんだ。

確かに、アスファルトは人間に都合が良いように地面を覆ってる。大地を敬う彼等は、勝手に異物を流したりしない。

「静かに歩くんだよ。この静謐な空気を乱すような振る舞いをせず」

 

 

滝の手前の岩場に立っていると、白人のグループがやってきて「どこか泳げる場所ない?暑くてたまんないわ」と聞いてきました。

彼等が行きやすい場所を考えていたのか、Kaiziが一瞬沈黙していると、「あら?その岩の後ろに水場があるじゃない。みんないらっしゃいよ」とずんずん入っていきました。

「足下に気をつけて」とKaizi。その後も何人もの人達が声をかけてきます。「ここは素晴らしいね。」「ああ。私はこの地の長老だ。今、友人を案内しているんだ」

キャーキャー騒ぐ声を後に、私たちは歩道から外れて下へ向かいました。

彼等のルールは、人に押しつけるものでなく、いつも心から心へとつながれていく。

 

 

なかなか険しい道でした。大きな岩をよじ登ったり飛び移ったり。「枝につかまる時は引っ張らないでそっと掴んで」。「大丈夫。ゆっくり。その足をここにまず着けて」。「ヘビがいたら、この棒をそっと横向きに彼の近くに投げるんだ。棒の向きに去ってくれるから。決してつついたりしてはいけない」

ひとつひとつがレッスンです。

一体どこへ向かってるのかなと思ったら。。いきなり目の前に、小さな滝が流れる場所が現れた!

 

カスケード状のオアシスは、よどみなく上流から流れ込む美しい水を静かにたたえていました。

歩道からは想像できないような光景に、「わあ」と思わず声が出ます。

「ここは、小さな子どもでも安心して泳げる。時々家族や友人と過ごすんだ」

寝転べそうなくらい大きな岩に私たちは腰掛けて、色んな話をしました。

滝の向こう側に広がる熱帯雨林のこと。手つかずの森の中を、子どもたちと一緒に歩いて自然の中で過ごす色々な知恵を授けたこと。時折、この近くで月明かりの下、仲間たちと夜を過ごすこと。

空は真っ青でした。

 

 

私、ひごろ空や大地を意識してるかな。感謝やいたわりを行動で示しているかな。。ぼーっと考えます。

 

そんなことが髄に染み渡り、全ての決断と行動を重ねるKaiziの言葉や仕草のひとつひとつ。

ゆっくりと、数時間かけて一緒に歩いた時間は、自分が地球の住人であることを思い出す宝物のようなひとときでした。

 

 

 

10月16日(火)、この場所をKaiziが一緒に歩いてくれます。ココナッツオイル作りの作業場を訪ねるだけの予定だったのが、お願いしたら聞き入れてくださいました。

とは言っても大人数では行けないので、あとお1人だけご参加可能です。(すみません、気づいたら1週間後でした。。)

朝8:30ごろケアンズを出て、ゆっくり大地を感じ、泳ぎたかったら泳いで。自然の中でごはんを食べて。Kaiziの在り方から、地球人であることを思い出す。午後は彼のココナッツオイル作りの作業場を訪れる。そんな1日です。彼等のココナッツから作るキアイというデザートも用意していただきます。

料金は$220(税込)です。

ご興味のある方は、こちらからご連絡ください。※ご予約埋まりました。

 

 

今回、自然の流れでできたツアーですが、先住民の方と過ごしたり、大地とゆったりつながりたい方がいらっしゃるようだったら、色々なつながりを生かして、来年はもう少し計画的に催行しようと考えています。企画が決まったら、あらかじめお伝えできるように、こちらのフォームからメールレターにご登録いただければ幸いです。

 

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