オリンピックと愛国精神
2016/08/22 幸せのヒント
リオオリンピックが終わりました。
閉会式は、植民地化や他民族の移住など、ちょっと複雑なブラジルという国の成り立ちが明るく表現されていて興味深かったです。カーニバル王国ならではの華やかさと躍動感にあふれてましたね
一方、See you in Tokyo 2020の日本のパフォーマンスは、デジタル、アニメ。。と近代的で、どんどん変わるクールなビジョンに目が釘付け。
アップになると、息が1つになって秩序を乱さない、礼儀正しさや緻密さもかいまみえて、色んな意味で 今のニッポン!を感じて感動しました。伝統とモダンが織り混ざる不思議な国。。首相までが遊び心を持つ。もっと知りたくなる。。そんな印象を世界に与えたのではないでしょうか。
有史上、侵略されたことがない日本の生粋の民族パワーが、4年後どんな風に開花するのか今から楽しみです。
オーストラリアに住み始めて20年以上になりますが、年を取るにつれ、日本の素晴らしさに気づきます。オリンピックで大和魂?が騒いだけど、残念ながらこちらのテレビでは日本人選手の活躍ぶりは少ししかわかりませんでした (ハイライト動画さえオーストラリアでは視聴できません。。東京オリンピックの時はステイしたいな。)
どんなことをされても、子どもは親が大好きなように、人は普段 意識していなくても、本当は自分の国が大好きなんだと思います。オリンピックの時、選手も観る側もそれを思い出す。
もっとも、普段から愛国精神を意識して、人としての核を作っている方もいます。オーストラリアのバスケットボールチーム Boomersの中心選手、パティ・ミルズ選手もそんな1人。
先日テレビで、Boomers がエアーズロック地域を訪れたときの模様が放映されました。
アボリジニの血を引くミルズ選手。 (父親は木曜島の出身)。
彼は冒頭で「チームメイトと共に、オーストラリアの真ん中を訪れ、素晴らしい国を代表してプレイするんだという共通意識を持つことがいかに大切か」と語ります。オリンピックキャンペーンとしては変わってるかもしれないけど、力強さやスピリットが宿るエアーズロックからオリンピックへの旅を始めることは、自分にとって理にかなっている。と。
ルーツに還る旅ですね。
「チームの結束を高めるために来たとも言えるけど、Boomersが進むオリンピックジャーニーを、コミュニティの人々も一緒に歩んでほしいと思った。僕らはメダルを穫ることを目標に、オリンピックの舞台に立つ。」
「受け入れてくれて有り難う」と敬意を表するミルズ選手に、コミュニティの老人は静かに頷くだけ。言葉をたくさん交わさなくても、わかってる。という空気が流れていました。真実は、態度や目で伝わるのでしょう。
チームは子ども達と一緒に遊び、バスケットリングと選手のサイン入りのボールをプレゼントしました。(バスケを楽しむアボリジニの子ども達の素朴な笑顔が可愛い)。自分の行いがコミュニティに影響を与えられることが「スペシャルだ」と感無量、言葉をつまらせながら語るミルズ選手。自分の才能や立場を、そんな風に謙虚に受け止めている人がいるんだ。。と、ジーン。何年後かに、ここからいい選手が育つかもしれませんね。
「オリンピックに出ることが夢だった」と個の達成について語る選手が多い中、彼の原動力は「For my people」。
「バスケットボールは、世界に、自分が何者かを表現させてくれる。そして僕は、バスケットボールを、オーストラリア、コミュニティ、そして先住民の血を代表することに使う。その機会を与えられたことを幸せに思う」
個でなくて、公を想う人は真の意味で強い。◯○のため、っていうと見返りを期待していたり、偽善者ぽくなってしまうけれど、大好きだから、っていうシンプルで純粋な想い。感謝がベースになっている想い。
彼に影響を受けたのか、他の選手が、静かに強く共通の意識を育んでいる気がしました。
自分のルーツと母国への誇りが心に根付いていて、仕事にフォーカスする人が増えたら、この世から戦争がなくなるだろう。オリンピックを通して、そしてミルズ選手の在り方を知って、そんなことを思いました。