人はつながりの中で生かされている
2019/07/09 ショップ (パウチ) 裏話&商品
ここ最近、久しぶりの方々がパウチ(私の店)を訪ねてくださっていて、過去と今が重なったような不思議な感じがしています。
中でも一番久しいのは、27年くらい前に一緒にツアーデスクで働いたTomさん。
私の前職のオフィスに問い合わせて、店の住所を教えてもらって訪ねてくださったそうです。
残念ながら、私がソウルジャーニーの仕事でケアンズシティにいなかったので、電話でお話しただけだったのですが、
「ご挨拶をせずに帰国してしまったのがずっと心残りだったので、いつかお礼を言いたいと思ってました」と言われて、なんて律儀な方なんだろうとビックリ。
私は当時、情報誌を創りたいって夢を語っていたそうです。そう言えば、ツアーデスクのお客さんがいないときは、もっぱら雑誌の構成を考えてたなあ。
お話するうちに、当時のことがリアルに蘇ってきました。
出会いを大切にしてるTomさん、きっと日本でも良いお仕事をされているのでしょうね。
面白いことに、数日後、情報誌を創っていたとき営業してくれていたオージー女性から連絡がありました。
彼女と一緒に働いてたのは25年くらい前かな? ふとどうしてるかなと思い、同じく前職のオフィスにメールをして私の居場所を探した、とのことでした。(リビングインケアンズさん、お手数おかけしました)
「あの時、あのクライアントの所へ行ってこんな事があったの覚えてる?」と色んな昔話に花が咲き、視力がほとんどなくなった、と言いつつ明るい笑い声が昔のままで、涙が出そうになった。
実は、雑誌の体制を変えねばならなくなり、言いたくないことを伝えた初めての相手が彼女。若かった私には試練でした。
情報誌を作ろうと考えていた時に側にいた方と、始めた時に支えてくれた方が長い月日を経て現れて、笑いあって。
何だか、チャプターが一つ幕を閉じた気がしました。
先週は、空手道場で短期間、一緒にお稽古していたRikiさんがお店を訪ねてくださいました。(全然記憶にないのですが)当時お渡しした名刺をまだ大切に持っていらして、恐縮。。
松本師範の愛弟子が運営する道場で「黒帯にチャレンジするんだ」、とオージーの友人が話してた直後で、ケアンズの色んな道場を見学したいと言うRikiさんとタイミングばっちり。
しかも同日に、松本師範の追悼ブログを読んだ日本の方から、メールをいただいたんですよ。
こういうのをシンクロと言うのでしょうか。なぜ空手なのか。。意味は分かりません(笑)
Noriさんは、数年前までケアンズにいらした方。
ギフトを探しにお店に来てくださったのが出会いです。
ご主人を亡くされた後、息子さんと一緒にブリスベンに越して自宅サロンを開業されました。上質なマッサージやクレイセラピーなどが、オーストラリア人のクライアントさんからも絶賛されています。
技を磨き、しっかりと地元に根付いてビジネスされているのが本当に素晴らしい。
今思うと、ケアンズにいらした頃は、パウチで行われたワークショップによく参加してくださっていたんですよね。
ご主人の病気が発覚したことを打ち明けられたのも、あるワークショップの席でした。私はその時、店を辞めようと思っていたころで、お互いにすごい転機だった。
結局、パウチは辞める方向に行かず、思いがけない形でリニューアルされたのですが、そのパーティーにも息子さんと一緒に参加してくださいました。
先が見えない悲しみの中で、本当に大変な時だったと思います。
そして、ついにケアンズを発つ、というときは「お世話になった方にお礼がしたい」とパウチでたくさんのギフトを買ってくださいました。
たくさんの想いを抱えたNoriさんは笑顔でした。
私は彼女の車のところまで行って「体に気をつけてね」としか言えなかったです。
何もしてあげられない無力さを胸に、見えなくなるまで道路に立ち尽くして。
だから、こうして、新しい人生を新しい地で切り開く、太陽のような笑顔を拝見できたことが、心から嬉しかった。
私は、店には、基本的に週に1度程度しか行かないのですが、こうして、ふと寄ってくださる方々がいることが、とても豊かな気持ちにしてくれます。
(行ったけど会えなかったと言われることもしばしばで。。すみません。お気軽に事前にご連絡ください)
ご縁を大切にしている皆さんにリスペクトと感謝の念がわくと共に、
出会った方たちのおかげで今があることを改めて知るのです。
本当に1人では生きていけない。
商売として見たらダメな店ですが、最初に思い描いたコンセプト通り、パウチは「人と人、人とモノ、人とケアンズがつながるハッピー空間」。
幸せだなあとしみじみ思います。
思い出してくださって、訪ねてくださって本当に有難うございます。
目の前にいる方を大切に、心を尽くせる人間でありたい、と改めて思います。