本当にやりたいことを探している人。「今のままで幸せ」ですか?
2016/10/12 幸せのヒント
チャレンジがないと、生きている気がしない
バニラ農家 フィオーナ・ジョージ
私の場合、大した覚悟や気負いもなく「面白そう」からものごとを始めることが多いので、思い通りいかなかったり、金銭的に損することもあります。それでも、やりたいことをしない方が恐い。もっと言うと、死ぬときに「やっておけば良かった」と後悔するのが恐い。年をとってきた今は、命をかけてもいいくらいの情熱をもって取り組んでいることがないのが、ちょっぴり恐い。
9歳のときに、急性腹膜炎になり、成功確率50%の手術をしました。
一刻を争うからと、救急車でなく、飛ぶように走るタクシーの天井を見ながら「死んだらどこへ行くんだろう」とぼんやりと思ったのを覚えています。子どもだったからか、具合が悪過ぎたからか、恐怖は感じていなかったように記憶しています。
麻酔から目覚めたとき、見守ってくれていた家族がいて、入院中は面倒をみてくれる人がいて、お見舞いに来てくれる人がいて。小学生なりに実感したのは
「ただ生きてるだけで、喜んでくれる人がいる」こと。生きてて良かったです。
また、たった2ヶ月弱の入院で、やせ細り、まともに歩くこともできなくなって、
「普通に、健康なのは当たり前のことじゃなかった」と思い知らされました。退院の日に食べた白米の美味しさが忘れられません。
退院まで、お腹の穴にチューブが入っていて、中から膿みが出続けました。お腹の中と外がつながっていて、内蔵の動きが敏感にわかるようになり、「自分の意志とは別のところで、命は働いてくれている」ことを体で感じました。
とにかく、9歳のこのときに(ちょうど40年前ですね)、
「死はいつやってくるかわからない。行動を先延ばししたらだめだ」
と胸に刻みました。(その後、今ふつうに歩けていることに感謝せざるを得ない病も)
ケアンズ郊外でバニラ農園を営むフィオーナは、日本で暮らしていたこともあります。文化人類学や日本造園を学びながら、現地の人々と交流するのが楽しかったそう。「まるで鏡のように、自分たちの社会がみえた」と、ソフトで可愛らしい声で言います。
その後、ニュージーランドに移って10年め、コトコトと何かを煮ているとき急に思ったんですって。「私、今のままで幸せ?」って。
あまりに安定した生活が退屈になってきて、快適なゾーンから出たくなったというフィオーナ。
「チャレンジが好きなの。ただただ安定した日々は、生きている気がしない」
彼女の場合は、バニラの栽培が長年の夢だったわけではありません。
シティの近くはイヤ。でも国際空港から程近いところ。そして温かいところがいい。
と、送りたいライフスタイルから、住む場所を絞っていった。そして、その場所で何ができるかをリサーチして、世界で2番目に高い農作物、バニラを栽培しようと決めた。
(もちろん決めたからには、本腰を入れて取り組み、Farming Woman of the Yearのファイナリストにも選ばれています。)
こんな彼女だから、数年後に「新しいチャレンジがしたくなったわ」って爽やかに去っていくかもしれない。
彼女の存在が清らかなのは、よどみのない生き方をされているから。
素敵だな〜と思います。
自分が本当にやりたいことを探している人。
「今、何だかハッピーじゃない」って心がサイレンを鳴らし始めたら、「じゃあ、どういう状態ならハッピーなの?」と自分に問いかけたらどうでしょう。明確にわからなかったら、「これはイヤ」を書き出すと、自ずと望む状態が見えてくるはずです。
満員電車はイヤ。ヒールをはくのはイヤ。ジャッジばかりするパートナーはイヤとかね。
そして、インテリア、住む場所、仕事、つきあいたい人達。。変えられるところから、少しづつ変えたらいいんです。勇気を出して。ワクワクする方へ。
私が尊敬する方も、まずは住みたい場所に引っ越してから仕事を探したと言ってました。その仕事をきっかけに、ご縁やチャンスが広がり、今は多くの方と一緒に「持続可能な社会」という壮大なテーマで地球を縦横無尽に駆け巡る大仕事をされています。
完成図はわかわからないけど、1つ1つ、パズルのピースをはめていくと、いつか絵ができていく、そういう人生もあるのです。
もしも、今の状態に満足していないなら、
今いる箱から出てみる。
あるいは整えることが始まり。
次第に視界が開けて
魂が本当にやりたいことに
導かれてゆくと信じて、
小さなことでも
今できることから行動しましょう。
あなたが生きているだけで喜ぶ人がいて、あなたが幸せだったら、もっと喜ぶ人がいる。
いつ終わるかわからない命、自分を幸せにすることに貪欲になってもいいのではないでしょうか?
爽やかに。軽やかに。よどみなく!
別れるときフィオーナがハグと共にくれた一言は、Take it easy ! でした。