守るべきもの。

  2020/03/29  やまと精神

スーパーから、相変わらず保存食が消えています。(スーパーのCEOが「供給は十分にあります。パニックにならなくて大丈夫です」とわざわざテレビでコメントしてた。)

コロナウィルス に関して、モリソン首相の指示は明確です。

「ライフスタイルを変えなければならず大変だが、命を守るために協力して欲しい。私たちはチーム・オーストラリアだ。政府はできる限りの生活費の援助をしていく」と。

ラグビー協会で働いている息子に電話したら、今は自宅勤務で、それぞれが解決策を考え、ビデオ会議で発表しあうところだ、と言ってました。

各試合で6〜8万人を動員するステートオブオリジンマッチが通年通り催行できないのだから一大事です。(東京オリンピックもしかりですね)
今は、解禁になった時に向けて知恵を結集させ、現状できることの施策を練っているそう。

余力のある企業が、臨時で数千人単位で雇用を増やしたというニュースや、企業を存続させるために、自主的に給与カット、休職を申し出る社員が多いとも聞いています。

こんな時こそ、人や企業、国家の品性や、毅然とした在り方が現れますね。

将来を見据える視点を持っているか。思いやりを持てるかどうか。

何を守り、何を手放すのかが問われています。

 

日本は、世界でも稀な「支配層がほぼ無抵抗のまま既得権を失った」無血革命を起こした国。

そう、たった150年前におきた、明治維新です。

維新だけではありません。その後に断行された「廃藩置県」もまた、大改革でした。

日本に君臨していた270人の大名たちが一夜にして消滅し、約200万人の武士が職を失ったのです。

 

「大名や士族にとって、廃藩置県ほどこけにされたことはありません。
明治維新は、士族による革命でした。多くの武士が死にました。
この歴史劇を進行するために支払われた膨大な経費—軍事費や、政略のために費用—はすべて諸大名が自腹を切ってのことでした。
そのお返しが、領地をとりあげ、武士は全て失業、という廃藩置県になったのです。なんのための明治維新だったのか、かれらは思ったでしょう。」

司馬遼太郎氏著:『明治という国家

 

士族は農工商の職に就くことを勧められ、政府は、家禄奉還を願い出た者には、就産資金や公債を保証したり、荒れた土地や山林を格安で払下げて、救済を図りました。

制度が廃止になるまでの2年間で、13万5000人もの士族が財産を奉還し、土地を得て厳しい開墾に望んだと言います。

なんとか新たな境地を見出そうと必死だった矢先、廃刀令が出されて、士族の特権と誇りすらも失われてしまう。。

結果的に、転職や起業で成功した武士はほとんどいなかったそうです。(この流れが反乱や西南戦争に繋がっていく)

 

 

彼らだけでなく、藩を廃止したことで各藩の借金を全て肩代わりした新政府も大変でした。

何とかしようと、・明治以降の借金は元金3年据置で利息年4%、25年返済 ・弘化年間(1844〜47)以後の借金は無利息で50年返済 ・天保年間(1830~43)以前の借金は無効という、徳政令を発令。

結果、各藩に多額の貸付を行っていた、大阪の商人たちの多くも破産に追い込まれます。

封建制度から資本主義社会へ移行する過度期が、国民にとっても政府にとってもいかに痛みを伴ったものだったか、ほんの一部の出来事を見るだけで伺えます。

大きなうねりの中では、自己保存の欲など吹っ飛ばされてしまう。。

 

アメリカから来た黒船を発端に、社会構造、貨幣制度など全てが180度変わったのは、人々が欧米諸国の帝国主義による、外圧の脅威を感じていたからに他なりません。

フランス革命に見られるように、諸外国では、抑圧されてきた階級が革命を起こしました。

一方、日本の明治維新は(佐幕派など様々な思想があったにせよ)、既得階級であった武士自らが幕藩体制を壊した。

既得を手放すことを見越してでも、多くの志士が命をかけた。

彼らを突き動かしたのは

日本を守る という大義。

そして、安全な土壌の上で、新たな芽を息吹かせようという希望

 

コロナウィルス が、当時の外圧のように人々に脅威を与え、様々な体制を変えさせる兆しを見せている今。

私たちが 守るべき対象は、地球です。

大きな視点から自分に降り立って、本当に大切にしたいこと、必要なこと、取るべき行動を観る時。

今の事態は、一人一人の進化を促すトリガーではないでしょうか。

 

昨日ビーチを散歩していたら、海の上にダブルレインボウがかかりました。

グレーの雲の中から、次第に鮮やかな光線が浮かび上がる様は、とても神々しくて、そこにいた人たちみんな足を止めて眺めてた。

世界をつなぐ海と、海を架ける虹。

今にもスコールになりそうな、どんよりした雲だからこそ浮かび上がる光

雷が、天と地を結ぶ創造の光だとしたら。

虹は、地平線と地平線を結ぶ光。自分と他者をつなげる思いやりの光。

眩し過ぎず、しっかりと目に焼き付けることができる。

共にある、希望の光。

 

虹の戦士になろう、と思いました。

光のつるぎを胸に秘めた、戦わない戦士に。

 

目に見えるものはすべて

すべて目に見えるものは

目に見えない世界に根を生やしている。

姿形は移りゆくけれど

本質はそのまま残る。

息を飲む風景もやがては消えてゆき

美しき世界もいずれは色あせる。

だからそれで意気消沈してはならない。

それらのよってきたる源は永遠であり

それは成長し

枝を伸ばし

新たないのちと、新たな喜びとを、産みつづける。

涙で頬を濡らす理由などどこにもない。

他ならぬ源はあなたの中にあり

世界はつくづくそこより生ずる。

 

ー北山耕平「地球のレッスン」(太田出版)より

 

 

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