仕事とライフスタイルの素敵な関係を発見。作り手さんを訪ねるツアーを企画中です
2016/10/22 ケアンズ・ソウルジャーニー
この3日間で400kmくらいドライブして、作り手さん達に会ってきました。
運営しているショップ【パウチ】で扱う商品の発掘と、作り手さんを訪ねるツアーのお話をするためです。
前回のブログでも書いたのですが、「自分の仕事が大好きで、誇りを持っている。情熱をかけている」とさり気なく言う方が私の周りにはたくさんいらっしゃいます。
ショップでは彼等が作ったモノを売って、お客様に、香りや使い心地や美味しさやお肌の変化などを楽しんで頂いていますが、実は私が本当に紹介したいのは、作っている方々そのものなんです。
それぞれの想いとパッションを胸に、気負いもなく淡々と働く姿勢から学ぶことが多いから。
仕事場におじゃまして、鼓舞や特別な演出なしで、じんわり響く、彼等の在り方を感じていただけたらいいな。。という気持ちでツアー第一弾の企画を始めました。(スローな動きですが)
真っ先に訪ねたのは、ココナッツオイルを手作りするKaizi。
ココナッツの実にストローを差した、100%フレッシュなココナッツウォーターをいただきながら、ツアーに参加した方に何をしたら喜ばれるかを話し合いました。
「やっぱり、オイルがどう作られるか見るのがいいよね」
「ココナッツを触ったり、ちょっとした体験ができたり」
とてもシャイな方ですが、作業の様子を説明していただくスタイルだったら良さそう。オイルを作っているのは、ご自宅の庭に手作りした作業場でアットホームな雰囲気。私が考えているのは10人以内の少人数ツアーなので、和気あいあいと質問なども気軽にできる、楽しいイメージがわいてきます。
「この間1300個くらいココナッツを採集してきたんだ。今はオイル作りに忙しいよ」と嬉しそうなKaizi。手つかずのフォレストで採集する様子の動画を見せてくれました。
「ここはヘビもワニもたくさんいる場所なんだけどね。」
「えー平気なんですか?」
「採集の前に森のスピリットに祈るんだ。人の役に立つオイルを作るためにココナッツを採らせていただきます。どうかガイドしてください、とね。だから、わしらが動物に襲われることはない」
(ネイティブの言葉で祈りを再現してくれました)
こういうちょっとした会話の中に、キラキラ光るエッセンスを見つけます。
自然や他の生き物に対するリスペクト。
善いことのためにモノを作るという意識。
自然に許しを乞う謙虚さに現れた、
現代人が忘れかけている人として大事にするべきこと。
「一定の大きさの実しか採らないし、必要以上の数も採らない」。それは、野生のココナッツが減らないための配慮です。「もっともっと」「大量生産して儲けよう」っていう考えは全くありません。
そして集めた実は、早朝から、たくさんの作業が待っています。
ほら、皮を剥くだけでもこんな大変。
Kaiziのココナッツオイルは、伝統的な「自然発酵法」という手法で作られ、薬品は一切使わず、ココナッツを愛でながら1つ1つの作業を丁寧に手作業で行います。
「手間がかかって大変ですね」と言うと、静かに微笑みながら首を振り、「I love what I am doing」(大好きでやっていることだから)という答が返ってきました。
トレス海峡で生まれ育った彼にとって、ココナッツは生活の一部。母なる樹と崇めるココナッツと共にいられることが、きっと喜びなんですね。
Kaiziが丹誠込めて作るココナッツオイルの詳細はこちらに。
故郷や文化を象徴するものと共に生きることは、他の文化を卑下したり、自分たちのやり方を強制することではなくて、心の中で穏やかに灯る、自分の在り方の軸を持つということだと、Kaiziを見て感じます。
(戦後アメリカが様々な「道」がつく日本の文化を禁じたのは、伝統に息づく大和魂を恐れたからでしょう。)
自らの中に軸があるからこそ、他(人、伝統、文化、自然)を大切にできる。
「他へのリスペクト」は、簡素だけれども
強いパワーを秘め、
人と人、人と自然の距離を
一瞬にして狭めてくれる美しいものです。
あ、ツアーの企画の話でしたね。
「分刻みのツアーじゃなくて、ゆったりと、2〜3カ所だけ巡るようなツアーがいいんじゃないか」とKaizi。私も賛成!予定ガチガチで、次の場所にせわしなく移動するスタイルは合っていないから。。
「必要だったら、仲間を呼んできて、火を囲んでアイランダーの伝統的なダンスもやろうか?」とまで言ってくださったのですが、初めてのことなので最初はシンプルに始めることにしました。
Kaiziのダンスは、伝統を受け継ぐために踊るものなので、お金目的の話は断って、学校や文化イベントでのみ披露するそう。そんな彼にオファーしていただけて光栄です。
帰る前に、裏庭?というか広〜大な敷地で、ヤムなどの栽培をしている場所や、人が集まると穴を彫って蒸し焼き料理を作る場所などを見せてくださいました。丘の下にはきれいな小川も。
家は(すみません)質素でシンプル。「この暮らしのスタイルが好きなんだ」と。余分なモノを持たず、集まってくる人たちを温かく迎える箱としての家。仕事も暮らしも、人との関係も、全てが溶け合うライフスタイルを送っているKaizi。
帰り道のドライブは、まろやかで、温かい何かに包まれている感じでした。
来年にはツアーが開始できるように努めますので、よろしくお願いします✨ 最後に、照れながらくださったショートメッセージをお届けします。
私の体験や仕事に関する考え方をお話させていただくことになりました。よろしかったら聴きにいらしてください。詳細、お申し込み:https://www.facebook.com/events/563451597178089/