子どもが自ら考えて道を拓いていくために
2017/03/06 海外子育てエッセー
子どもを通して、オーストラリアの学校での色々なことに感心してきました。学校の先生になりたいと思っていた時期があり、教育にちょっと関心があるんです。
私が考える教育は、一方通行で教えるんじゃなくて、学ぶことの楽しさを伝えたり、自立する道をつけて、その子の個性を育むこと。
偏差値という均一の物差しで計る日本の学校制度は、昔から無理があると思ってました。
大学時代に、塾の講師と家庭教師のバイトをしていたとき。
中3の生徒さんが、先生から絶対無理と言われた高校に行きたいというので、勉強でなく、勉強の仕方を教えたんですね。ノートの取り方とか、わからない部分を分解していくこととか、やまをかけるなど、いわゆるコツを。プラスして褒めたり、この高校入ったら何したいの?と一緒に想像したり。すると、内申が2段階上がって無事志望校に合格しました。
数字を目標にしたって、勉強をやる気にならない。
これを学んだら、どんな世界が開けるのかっていうビジョンがあったら、自然と色々なことを知りたくなる。
そう思いました。
面白さに気づかず、ろくに勉強しなかった私の学校の成績は良くなかったです(笑)。
個性と自立心が養われるオーストラリアの学校教育
自分の子ども達がオーストラリアの学校に通うようになって、日本の学校との違いにずいぶん驚きました。
教室ひとつとっても。生徒の絵を天井中にぶら下げてアートギャラリーのようにしている先生や、きれいに整理整頓している先生、机の配置すら様々で。子どもたちが騒がしくなってくると、ギターを弾き始める先生がいたりとルールも色々。
逆に、子ども達を日本の学校に体験入学させていただいた時、30年ぶりくらいに教室に入って、私が子どもの頃と変わっていないので驚いてしまいました。黒板にある「日直」の文字etc.
当時は当たり前でしたが、今みると、窓際の一番いい感じの部分に、雑巾が一斉にぶら下げてあるのも気になる(笑)。
自分の空間を好きに飾ること、ちょっとした美意識を大切にすること等々。。先生自ら個性を発揮する姿から色々なことを無言で学ぶと思うんですけど。。
宿題は、自分で考えてまとめて発表するタイプのものが多い印象です。小学生のときからパワーポイントでのプレゼンも普通。ハイスクールになってからは宿題の量がとても多く、生徒たちは必死に勉強します。各自ノートパソコンを持って宿題もオンライン。そうそう、ハイスクールになってからは選択科目が多いことにも驚きました。
色々な意味で、子どもが自分で考えて決めるシーンが多いんです。
10年生の義務教育が終わったとき、もう勉強はいいと思った子はさっさと学業終了。バイトしたり、旅したり、子どもを生んだり(!)。なかなかバラエティに富んでいます。もちろん12年生まで終えて大学へ行く子も。
ちなみに、日本は、大抵「どこの大学に行っている」という言い方をしますが、オーストラリアでは「大学で何の勉強している」と言います。大学に入ることが目的でなくて、将来何をしたいかを考えているから。
基本的に、親も子どもが18歳になったら何も口出しはしません。
親や学校は、子どもの自立を促す役目がある
先生の指示通りに動くのがいい子で、決まった答えを暗記する(大多数の)日本の学校の教育は、子どもが自分で考えて行動する余地を与えません。意志を持つと煙たがられる学校に通い、大人になっていきなり、決断力がないだの行動力を持て、と言われても無理な話です。
義務教育はより良く生きるための基礎。終わったら、自ら考えて自分の道を拓いていく姿勢や環境をサポートする、つまり自立を促すのが、親や学校の役目。
私は勉強しなさいと言ったこともなく、「知らなかったことを知るのは楽しいね」と洗脳してました(笑)。「勉強はしてもしなくてもいいけど、しておくと大人になったとき、仕事の選択肢は広がるよ」とだけ。学校から帰ってくると「今日楽しかった?」、先生との面談でも「お友達と楽しそうにやってますか?」しか聞かなかった。(子ども達に「もうママは来なくてもいい」と言われてしまいました。。)
息子は今、経営学部にいるのですが、2018年にゴールドコーストで行われるコモンウェルスゲーム(オリンピックのミニ版みたいなイベント)のインターンに選ばれ、企業のマーケティングチームの中で生きた勉強をさせていただいて、とても楽しそう。
やってることは何でもいい。打ち込めるものを見つけて、生き生きと頑張っているのが親としてはとても嬉しいです。
ニュースにもちらっと出てました↓
娘は今、日本でいう高3。
進路について悩む彼女に励ますつもりで「ママも高3のときなんて、将来何になりたいかわからなかったし、今もわからないよ!(笑)」と言ったら、とっても不安そうで無言になってしまいました。。
「とにかく一生懸命、自分を見つめて、今の段階で心に響くことを選ぶ。それしかない。違ってると気づいたら、軌道修正すればいい。」と伝えたけど、どうなるかなあ。
今はどうかわかりませんが、私が高3のときは確か、偏差値を見て先生が「この大学くらいなら行ける」的なアドバイスをしてました。
こちらの学校では、よく適性診断テストをするそうで、生徒は自分の強みや質を客観的に見て、どんな道が向いているのか、または進みたいのかを考えます。そこから逆算して、この学校のこういう学部がいいとか、こういう会社に見習いに行くといい、と言ったアドバイスを受けるんです。
数字でなくて、人に重きを置いているわけです。
結局は。。
オーストラリアと日本の学校教育の違いについて少し触れましたけど、
究極は、大人が自分らしく楽しく生きるのが一番の教育。
どうこう言うより、「早く大人になって、あんな風に生き生きとした人生を歩みたい」と子どもが自発的に行動するのが一番自然だから!
そういう意味では、大人はみんな教育者なんですよね。
ブログ投稿後にFacebookでいただいたコメント。勉強になります。