こんな時だから考えたい、本当に喜ばれる観光地の作り方
2021/03/31 天職・魂が喜ぶ 天分ビジネス
たまにケアンズの街に出ると、観光地に飛行機が飛ばなくなると、こんな風になってしまうんだなってひしひしと感じます。(私のお店もほぼ機能してません。。)
オーストラリアは政府からの月々の援助金が3月で終了なので、来月からが正念場。観光業に携わっていない方も多くいるとはいえ、一層混沌としそうです。
そんな中で、昨日(3月30日)からクイーンズランド州の州都ブリスベンはロックダウン、州全体に室内でのマスク着用義務などが発令され、私も初めてマスクをゲットしました。(まだつけたことないけど。)
外部からきた人は隔離され、マスクで表情はおおわれ。。色々なレベルでの「分断」が起きています。
戸惑ってしまうけど、これを分断ではなく、を大切なものを守るための「結界」が張られている事態だと取れば、目の前に集中する機会だと捉え直せます。
交通網が発達していなかった時代は、自分の村で一生を終えることも少なくなかったでしょう。
だからこそ、それぞれの土地の文化が花開き、例えばお伊勢詣でなど特別な旅で、人々は見るもの聞くもの食べるもの、一つ一つに新鮮な驚きや感動を持ったのではないかと想像します。
私ごとですが、中学生のときにテキサスに住むペンパル(今や死語?)から手紙を受け取ったときの興奮やときめきは忘れられません。
封筒を開けたときの香りや、筆跡、写真の撮り方、手紙の内容など、異文化が畳み込まれた便箋を、何度も繰り返し眺めたものでした。
インドの村で、サフラン色の大地の上を、鮮やかな原色のサリーをひらめかせ女性たちが歩いてゆく。対照的な色彩を灼熱の太陽が照らしていた光景は今も脳裏に焼き付いています。
たった40年前は、まだ異国との距離は遠かった。
その後、格安航空券で簡単に国内外を旅でき、スマホで写真が撮れて、それを楽々SNSで発信し、苦労して単語を覚えなくてもGoogle翻訳機があり。。ととても便利な時代になりました。
同時に、その土地らしさも、感動も薄まっていった。
観光地が「自分たちらしさ」よりも、「訪問者に受けそうなこと」に目を向けてプロダクトや街を作り、マーケティングを繰り返したことも一因です。
自由に簡単に国境を超えた行来ができなくなった今、私たちは問いかけられているのではないでしょうか。
「あなたの土地らしさは何ですか?」「その中で、あなたができることは何ですか?」と。
昔は、冬になる前に山菜を漬物にしておくとか、季節に合わせたお祭りがあるとか、「既にあるものを生かして」暮らしを作るしかなかった。
土地に代々流れるものを受け入れ感謝して、少しでも笑顔が増える日々を願って、持っている力や時間を捧げることが、その土地らしさの熟成につながっていきました。
「土地の独自性」は、頭で考えたり、テーブルを囲んで話し合うものでもなく、こうして個人の「幸せな暮らしを求める気持ち」から自然に生まれてくるものだと思います。
ケアンズだったら、ボートがガレージにあって、好きなときに釣りに行って、獲れたての魚でパーティーするなんて特別なことでもないですし。
海沿の公園のバーベキューを使って(しかも無料)お誕生パーティーを楽しむなんて、考えてみたら贅沢なことですし。
他にも色々あるでしょう。
解像度が低い写真しか残ってないのですが。2008年リーマンショックのとき、地元の新聞の取材を受けました。このときから売るべきは「ライフスタイル」だと言ってたようです(笑)。ケアンズの伸び伸び自分らしくいられるライフスタイルの元を考えたときに、「太古から流れる源のエネルギー」だと気づき、ブログのタイトルにしたりツアーにしたりしました。
現在のように、外からの出入りが極端に少ない時期は、種を純粋培養?できますよね。
観光業というサービス業は、お客様をもてなすことがとても大切で、お客様が本当に嬉しいのは、その土地ならではの「光を観る」こと。
ローカル御用達のレストランはやっぱり美味しいし、ローカルが集うマーケットは楽しい。
リセットがかかった今、どんな種をまくかで、観光地としての将来が変わると思います。
それは必ずしも立派なインフラや行政の力が必要ということでなく、個人が、いま住んでいる土地のどんなところが好きで、どんな風に暮らしを楽しみたいか見定めることが大きなポイントになるでしょう。
とても大変な時だけれども、真の意味で豊かで、つくりものでない光が少しづつ形作られていくことを願い、私もできることをやっていこうと気持ちを新たにしている今日このごろです。