瞬間共創の中で、偽りない自分を聴いた夜。

  2021/06/12  スローライフ日記

先日、Hanziのサウンドヒーリングを受けました。

なぜか周りにはスピリチュアル系の方やヒーラーさんが多いのですが、パニック障害で精神がまいっていた時以外そういったことは別世界の私。

「恵子の家の近くにセッションルームができたからおいでよ」とお誘いを受けたときも、「よかったね。いつかお願い」って感じだったんです。

でも、異国の地から届いたという、見たことも聞いたこともないような楽器について嬉しそうに話すので興味が出てきて、私の引っ越し記念に?体験させていただこう、とふと思いました。

ビーチから数分でありながら、緑豊かな丘の上にひっそりたたずむ古い家。

「ようこそ」と迎えてくれた彼の周りの時間の流れはさらにゆっくりで、荷造りや大掃除でクタクタだった心身がふっとゆるみます。

パティオにテーブルを持ち出してくれて、きれいに整備されているわけでもないのに、何とも落ち着く不思議な庭に目をやりながら、持参したケーキでしばしお茶しました。

大木の背後、遠くには落ちかけた夕陽をあびた山々が少しだけ見えます。

夏になったら、この木は真っ赤な花に包まれるんだろうなあ。

「なんか神社みたいね、ここ。とっても落ち着く!」「僕もそう思ってた」(神社に行ったことあるのか知りませんが・笑)

この特別なことは何もない時間と空間だけで、すっかり癒されてしまいましたが、「じゃあ始めよう」と言われて足を入れたそこは。

さらに静謐で、それぞれの楽器から重厚な存在感が放たれている異空間でした。

 

 

エキゾチックで見たこともない楽器たちは、ここにやってくる前の土地の空気や色をまとっていて、人の気配すら感じます。

「ものすごいお金を使ってしまった」と笑うHanziは、元々クラシックギターの演奏家であり、手を痛めてプロとして活動できなくなった後は、ギターの講師をしたり、あまり指を動かさなくてすむチェロの演奏などをしてきました。

セオリーを学び尽くして、自由な境地に入った。。私から見たら天才です。

(下の動画は旧スタジオに昨年遊びに行ったときのものですが、楽器の雰囲気や音色がちょっとだけわかるので、よろしかったら。)

 

 

楽器に囲まれてぽんと置かれたマットレスに横たわり、セッションが始まりました。

最初は「ああ、これがシンギングボウルか。。ドレミファソラシドに収まらない不思議な音だなあ」みたいに、色々と頭で考えていました。

すると、次第につまさきが痛くなってきて、ジンジンした痛みは腰へ。

身体の色んなところが痛くなってきて、何も考えられなくなってきた。。

癒されるどころか、痛いなんて!?なんで?

突然に主張を始めた身体の部位たちに「いつも黙々と働いてくれて有り難う。。意識することが少なくて、文句が多くてごめんね。」という気持ちがわきあがります。

普段がまんしていた存在が揺り起こされたのかな??

真相はさておき、外側にも内側にも鳴り響く波に、ただ委ねるしかありません。

 

 

耳元でゴーンと深い音を感じたかと思うと、しゃらしゃらと軽やかな音が風のように移動したり、遠くて弦楽器からメロディが弾き出されたり。

目をつむっていたので分かりませんが、部屋中にある楽器を、直感で渡り歩きながら演奏していたのでしょう。

即興演奏がループ ペダルで録音されて重ねられ、テーマ音として雷が落ちるような音がずっと底で響き、まさに重層な音の海に漂う感覚です。

いつのまにか痛みは消え、なんとも澄み渡った清らかなメロディを味わっていると、悲しげなどこかの民の歌声のような調べが聴こえてきたり。ディジュリドゥの大地を鳴らす音が腹の底を揺さぶったり。

 

すべてが「今」に内包されていることを感じ、

たたみこまれた重厚な存在、エネルギーが開いてゆく。

 

私は、溶けていきました。

意外なほど速いスピードで自転する地球の上半分だけが心に浮かんで、なぜだか分からないけど、ほんの少し涙が出ました。

ある時は、顔の周りにさあっと涼やかな風が吹いた。

意味とか何にも分かりません。瞬間瞬間、うつろっていく響きに、ただただ身体が反応するんです。

 

 

90分のあっという間の異次元の旅を終え、目を開けたら、外はもう真っ暗。「おかえりー」と微笑むHanziがいました。

どの音が好きだった?と聞いてくれたのだけど、弦の音だったような?よく分かりません。

全てが完璧なハーモニーで、つながっていたから。

いつも、悩みや置かれている状況などの深い話はしないそうで、サウンドの中でそれぞれの人がそれぞれの体験をしてくれたらいい、と言う彼。

「僕は感じるままに、奏でるだけ。」

究極の瞬間共創、です。

音楽に身を捧げた上で本質をつかんだ人だけが遊べる自由自在な響きを、私に合わせて創ってくれるなんて、何と贅沢なセッションでしょう。

クライマックスはこことか何のための曲、という意図がないからこそ、余韻の中にいるのは「偽りのない自分」。

でも、自分であって、自分でない。

それぞれにストーリーを持った楽器とも、身体の痛みから解放された後の心象風景とも、Hanziとも、とりまく全てとも私は一体でした。

響きあいは波紋と秩序をうみ、瞬間瞬間 形を変えてゆく。

ピュアな音色を発せますように、美しい響命の波の中で生きてゆけますように。

そんな謙虚な気持ちに満たされ、心からの感謝を、彼と住み慣れた街におくった夜でした。

 


セッションにご興味がある方は

https://www.facebook.com/cymaticsoundhealing/

または cymaticsoundzone@gmail.com からご連絡を。英語がちょっと。。でしたら、私にメッセージくださっても大丈夫です。(希有な才能の彼を応援したいのです)

音源のデジタル配信は、準備中だそう。2人とも風のおもむくままタイプで計画性に欠けるのですが(汗)今後ある共同作業をしていく流れになりそうで楽しみです。

スローライフ日記

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