自分の純度を上げる「見極め力」の育てかた
2018/09/02 幸せのヒント
前回のブログで、今、「和魂洋才」の考え方を個人レベルで実行するときなのではないかと書いて、「見極め力」という言葉を使ったので。
自分の純度を高めるために、不要なものを見極めるにはどうしたらいいのか考えてみました。
まずは、違和感を見逃さず、大切にすることかと思います。
「ワクワク」が流行って?いますが、「何となくピンとこない」とか「何か気が乗らない」とか。そういう感覚も実は優れたセンサーなんですよ。でもまあいいか、と打ち消し続けていると働かなくなってきます。
自分の中で調和が取れないことは、発展性がありません。
振り返ると、私は若いとき、自分の違和感に正直でした。(別名、若気の至りとも言います)就職活動も、面接官の「我が社の歯車になってもらう」の一言で「は?」と一気に冷め、就職するのを止めました。
教員免許を取りましたが、実習で行った職員室の雰囲気や学校制度にどうしても違和感がぬぐいきれず(仕事内容と子どもは大好きだったけど)、なるなら外の世界を見てからにしよう、と先生になりませんでした。
バブル全盛期に、無職だったんです。。
「恵子ってバカだね」とよく言われてきたけれど、違和感に素直だったおかげで、自分が本当に欲しているものかどうかを見極める力は、働いていたと思います。結果、オーストラリアに導かれ、今の私がいるのですから。
年を取るにつれ、大人の事情で迎合したり、違和感を無視することが増えるけど。。感覚に敏感でいたいですね。
次に、遠くを見ること。
つまり、目先の利益に振り回されないことです。
純度を下げてしまうのは「お得感」や「損したくない」など不安や恐れを基準に、外の情報や価値観、出来事を取り入れるとき。
痛い思いをしてみて「それ、あなたにとって必要じゃないでしょ」と目が覚めることがほとんどです。
自分の最近の失敗で言えば、あるメーカーのバッグの輸入総代理の仕事。バッグ自体はとても素敵で、今も愛用していますが、オーナーデザイナーとまったく連絡が取れなくなってしまい、続行できなくなりました。
ずいぶんたくさんのお金を飛ばしましたし、日本の展示会に出たり、時間とエネルギーも使いました。
輸入総代理は、独占販売権による商売。合っている人には良いビジネスなんだろうけど、私には合わなかった。だから、続かなかったんだと今は分かります。
この失敗のお陰で、癒着とか囲い込みとか独占とか支配などの考え方が私には合わないこと。どんな仕事のときも、オープンで、自分にも周りにもフェアであることを大切にしてきたのを思い出させてくれました。
目先の利益に振り回されると、自分の価値観と合わないことを見極められなくなります。
自分なりの美学を持ち、遠くを観る。これが重要なのではないでしょうか。
自分の周りで、美味しそうな話や世間の流行に惑わされることもなく、淡々と我が道を行く人を思い浮かべると。。
ルーツが心に根ざしていて、地に足が着いている。
という共通点があります。
ルーツとは、どんな家庭で育ったかということであったり、家系であったり、自分は日本人であるということだったり。自分の「命のでどころ」をはっきり意識している人は、ぶれないのです。
オーストラリアは、学校でもスポーツの試合でも、行事でも、よく国家を歌い、アンザックデイには戦争で国のために命を落とした兵士をたたえて敬うなど、自分のルーツを自然と認識する機会が多い国です。歴史が浅く、移民が多い国だから、あえてそうなっているのかもしれません。
ここに住む、他国のバックグラウンドを持つ人々も、やはり血筋を大切にしています。
アボリジニの人もそうで、人としてより良く生きる「掟」(後世ドリームタイムストーリーと名付けられたもの)は、親から子へと何万年にも渡って口伝えされています。
アイデンティティをしっかりと次世代に伝えているのです。物語や慣習を通して。
見極め力とは関係ないかもしれないけど、こういう人たちは大抵、誰といてもありのままです。へつらうことも、偉ぶることもなく、どんな相手とも同じ接し方。
自分にも、周りにも、等しく命を祝福しているからでしょう。
一方、日本人はどうでしょうか。
揺るぎない柱が、心の中にあるでしょうか。自分のルーツに誇りを持っているでしょうか。
人生の半分を日本の外で暮らしている私から見ると、日本はとても神聖な国です。底力があり、美しい。
華道や茶道や武道など、道の中に大和魂が息づいています。
暮らしの中の何気ない仕草や動作にも、自然やご先祖様に対する敬意が現れています。
他を生かそうとする調和の心を普通に備えています。
中にいると当たり前過ぎて分からなくなるんですよね。オージーから見たら自動販売機があちこちにあるのすら信じられません。(こっちにあったら、すぐに壊されて中身だけ盗まれるでしょう)他にも色々なことが、こちらから見ると驚きです。
思い出した方がいい。意識した方がいい。
気高い日本人として生まれたことを。
アイデンティティに誇りを持って、見極め力を高め、純粋な自分を生きる人が増えたら、日本という国が更に輝き、それが世界の平和につながると信じています。
望んだわけでもなく、オーストラリアの田舎町ケアンズに25年以上も暮らしているのが不思議ですが、もしかしたら、外の視線から「あなたであること、そして日本人であることの素晴らしさ」をお伝えするためかもしれません。生命の樹 Self Discoveryセッションは、その一環である気がしています。