パロネラパークが人を魅了する理由はきっと。。
2016/09/04 ケアンズ観光情報
2年ぶりにケアンズにいらした富澤さんご夫妻と、夜のパロネラパークを訪れました。
ケアンズから南へ約100kmの道のり。かなり久しぶり&夜だったので、こんな何もない所だっけ?と運転しながら少々不安になりましたが、本当に「まさかこんな所に」という場所に、1人の人間が築いたお城跡が突如として現れます。
観光地として随分人気のパロネラパーク。天空の城ラピュタのモデルじゃないかとも言われる、スペイン風のお城そのものはもとより、この場所に託されたストーリーがその秘密。
The Dream Continues..
そう、ここはスペインからの移民、ホゼ・パロネラが6年の歳月をかけて、一世一代の夢を形にした場所なのです。
少年の頃からの夢「いつか自分自身のお城を持つ」ことを胸に日々を過ごし、26歳のときに「人生の中で何を成し遂げたいのか」自分自身と向き合って、可能性を広げるためにオーストラリアに移民してきたホゼ。
42歳のとき、熱帯雨林の中の美しい滝に出逢い、長年の夢であるお城をこの場所に創ることを決めたと言います。
人であったり場所であったり。人生は時として、ある出逢いによって意味が与えられ、鮮やかな色づけがされて導かれるのですね。
それは、きっと
自分にとって大切な何かを、ずっと心に思い描いてきた人に用意されるもの。
ホゼの場合は、Mena Creek滝から全てが始まった。
ご一緒した富澤さんは電気技師であり、町の議員になられてからは、奥様が代わって20年に渡って電気会社を営まれ、リタイア後に町に恩返しをしたいと「ダチョウ園」を私費で創られた方々です。
ホゼが作った水力発電(今も始動してます!)を興味深く眺めておられました。
ホゼの想いを継いだ、パロネラパークが伝えるメインのメッセージは
「夢は想うものでなく、叶えていくもの。
ホゼ・パロネラの夢の続きを、あなたの夢の始まりに」
確かに、これだけの建物や庭園を1人の人が造った事実を見てしまったら、「できないことはない」と嫌でも感じ、夢を持っている方は、とても勇気づけられることでしょう。
完成後、洪水などの自然災害にみまわれても諦めずに再建に挑んだ姿からは「夢を諦めない」ことの大切さも、私たちに教えてくれます。
ホゼのように、幼い頃から夢を持っている人は本当に素晴らしい。完成図があって、それに向かってゆく人生ですよね。
一方、「人生を架けた夢」はわからずとも、心に響くことを懸命にやってたら、こうなったみたいな、描き足すうちに絵が出来上がるタイプの人生もあり、持って生まれた課題は人それぞれ。
自分は後者で、夢は必ずしも持っていなくてもいいという考え方。代わりに、その時々の自分の魂の声を聴こうと努めています。
そんな私に パロネラパークで最も響いたのは、ホゼのサービス精神でした。
自らが設計し、庭までもデザインして建設した夢のお城は、
他の人々も楽しめるような工夫に満ちているのです。
1935年の完成後は、メインの建物でダンスパーティーや結婚式が行われたり、映画も上映したそう。他にも、奥さん特製のスペイン料理やスコーンを食べられる場所があったり、テニスの試合や観覧席もあったり。滝で泳いだ後の、更衣室まで用意されてる!
元からある熱帯雨林を生かした庭園も、カップルが並んで歩くのにちょうどいい幅のLovers Laneがあったりして。
来た方に楽しんでもらいたい、というホゼの心意気をあちこちに感じます。
歩いてると、「人生を祝福しようよ」という声が聞こえてきそう。
どんな世界を彼は人生を架けて表現したかったのだろうと想像し、今もなお、多くの人がパロネラパークを楽しんでいることに自分まで嬉しくなりました。
パークを歩きながら、富澤さんがダチョウ園を造ったときの話に。「周りにさんざんバカにされたし、足を引っ張るのは、大抵自分は何もしない人だった」とおっしゃいます。「町に恩返しを」という信念を貫いて出来上がった園は、生演奏やカフェなど楽しい趣向を凝らし、県外からも人が集まって、多くの人の憩の場に。更にこれから、という矢先に震災があり、立ち入り禁止エリアになったため、閉園せざるをえなくなったのでした。
「でも、ダチョウ園でいただいたご縁に助けられて今は幸せ。私費を投じて損したかもしれないけど、人とのつながり、というお金で買えないものを得ることができた」とお話してくれました。
周りの人を喜ばせたい、という気持ちが
巡り巡って自分にも周囲にも
ハッピーをもたらして続いてゆく。
ホゼと同じですね。
人生の集大成として残されたパロネラパークの中を、これから人生を作っていく若いEmiさんと、既に色々なものを形作ってこられたお2人と一緒に歩く中で、色々と想うところがありました。
人生のスタイルもステージも様々あるけれど、共通して、想いが現実を牽引する、ということ。
想いは、ホゼのように「夢を現実化すること」かもしれないし、周りの人と仲良く暮らしたい、といったような「在り方」かもしれない。
この先何が待っているかわからなくても、周りがどうであっても、自分にとって正しいと感じる想いを胸に、日々を大切に過ごすしかないということ。
大切にする=人や場所、瞬間。。
「すべては一期一会であるという認識」で過ごすこと。
私は来年50歳になるけど、60歳から全てご自分の手でダチョウ園を建設された富澤さんのお話を伺ったり、48歳でパロネラパークを完成させたホゼの話を聞くと、言い訳なんてできないなと思いました。
というか、前向きな方は年齢はちっとも気にしてませんね。
それぞれの感じ方で、人生について考えさせてくれるパロネラパーク。MUST DOアトラクション1位に投票されたのも頷けます。1人の人の夢が今なお残されているのは本当にすごいこと。苦労しながら観光地として建て直してくださった現オーナーさんや、スタッフの皆さんに改めて感謝します。
Tips
今回は、ゆったりと回りたかったので近くのB&Bに泊まるコースにしました。(宿については別ブログでご紹介します)
ケアンズを4:30pmごろ出て、6pmごろ到着。園内を案内していただきながら、お城ライトアップを見せていただきました。夕ご飯は、パロネラパークから車で数十秒、はす向かいのMena Creek Hotelで。パブミールならではのボリュームと、ステーキや魚のメニューで、お料理のグレードが高かったです!
Paronella Park Info
入場料 | オーストラリアドル |
大人: | $44 |
家族(大人2+子ども2): | $124 |
子ども (5-15歳): | $23 |
自分で運転していく場合参加できる日本語ライトアップツアーは、6:15pm〜に出発。(繁忙期のみ20:00〜英語のツアーあり)夜は園内が暗いため、自由散策は不可。
●入場料に含まれる物
1) 園内散策ツアー (デイツアー/ライトアップツアー)
…昼間:1日数回日本語ツアーあり(所要45分)/ライトアップツアー:1日1回限定 6:15〜7:20pm
2) 2年間のフリーパス券。(何回でもパーク入場、ツアー参加が可能)
3) キャラバンバークにて一泊無料 (テント持参)
日本人スタッフさんがいるので安心。園内にはカフェやギフトショップもあります。
●日本語ウェブサイト
http://www.paronellapark.com.au/japan/included