人々と大地の痛みを「自分ごと」として捉えるDeep Spiritual Connectionが地球を救う。

  2017/04/02  幸せのヒント

この数日間、私の中の何かが目を覚ますような出逢いが幾つかもたらされました。「次世代の子ども達に美しい地球を残す」という共通のメッセージと共に。

 

その中の1つ、Smile with Kidsを主催されているMakiさんのご依頼で伺った、Australian Conservation Foundation(オーストラリア環境保護基金:以下ACF)アンドリューさんのお話をご紹介します。

 

 

Smile with Kids:東日本大震災の後、「自然豊かなケアンズに、福島の学生さんをお招きし、彼等がのびのびと羽を伸ばして、自信と誇りを持ち、未来への視野や可能性が広がるきっかけを作りたい」という想いで始められたNPO。毎年3月のJapan Day of Hopeというチャリティイベントをはじめ、様々な募金活動をされています。詳しい活動内容/寄付についてはサイトを。https://www.smilewithkids.com.au/about

 

津波と原発事故による、未曾有の体験をした福島の学生さん8人に対してアンドリューさんがシェアしてくれたのは、ウランを通したオーストラリアと日本との関わり、そして彼等の考えでした。

 

知らなかったのですが、オーストラリアはウランの埋蔵量が世界最大なのだそうです。(2位のアメリカの約2.5倍)

福島の原発にはオーストラリアのウランが使われたこともわかっており、環境保護活動を展開するACFは、ウラン発掘の停止を政府に強く働きかけています。

産出国としての責任を訴え続けているのです。

 

 

 

上の動画は、東日本大震災の2年後に作られたもの。

私たちの未来は変えられる。It’s not Radio Active.(放射性/Imagine Dragonのヒット曲のタイトルにかけているかと思います)力強く、熱いメッセージがずしーんと心を打ちます。

 

今の便利な生活/お金と、
放射能の影響で苦しむ人々
そして未来の地球のどちらを選ぶのか。

今、私たち1人1人が
考え、選び、行動する時

もう戻ることができない地点まで来てしまった。。そう感じます。

 

 

「何千キロ離れていても、本気で何かしたいと行動する人、知識をシェアする人がたくさんいます。将来のリスクを減らさなければなりません。連邦政府はウランを最大限に輸出したい考えですが、クイーンズランド州では禁止になりました。現在オーストラリアには石炭の発電所が30カ所。(※オーストラリアに原発はありません)ACFでは2030年までに、100%再生可能なエネルギーに移行するキャンペーンを推進しています」とアンドリューさん。

 

今回、福島から学生さんを引率されてきたNPOアースウォーカーズ代表、小玉さんが「震災後、日本の原発稼働率は2〜3%に下がったが、日本政府は100%の再稼働を目指している」と続けます。

 

 

 

ACFは、ウラン鉱山のある土地の伝統的な所有者、先住民アボリジニ・ミラル族の長老Yvonne Margarula(イボンヌ・マルガルラ)さんとも協力関係にあります。

 

「アボリジニの人の間では、この地域の岩は触れてはならない。そのまま残すべきだと伝わる”Sickness Country”と呼ばれる地図があった。驚くことに、その地図とウランが埋蔵されている場所が一致するんです」とアンドリューさん。

 

イボンヌさんは、オーストラリアの日刊紙『The Age』にこう話しています。

「私たちの伝説 “Dreaming”ストーリーでは、その土地が荒らされた時、“Djang”という“致命的な力”が解き放たれると伝えられ、亡父トビー・ガンガーレは、レンジャー鉱山が操業を開始した1970年代、オーストラリア政府に対し、Djangが世界中を皆殺しにしかねない、と警告しました。しかし、誰も耳を貸しませんでした。」

 

 

引用:http://www.pbase.com/
ウランで汚染された水を飲んで死ぬ人々を描いた壁画。カカドゥ近くにて。

 

 

イボンヌさんの父親は、ウラン採掘を断固反対の立場を取っていたのですが、6年に渡る協議の末、レンジャー鉱山操業の契約書に半ば騙される形でサインさせられ、そのために巨額のお金が部族に流れ込んで、争いや飲酒などの問題を引き起こし、鉱山が完全に生活を変えてしまったと言います。「水路や小川は永遠に失われ、有害な岩がうずたかく積まれ、有害なドロで埋まった巨大な穴ができ、土地は破壊されてしまった」とも。

 

アンドリューさんが見せてくれた動画は、そんな背景を持つイボンヌさんが、東日本大震災の後に人々に対して語った様子でした。

 

 

 

自らの大地から採られたものが もたらした破壊に対する深い深い悲しみが伝わり、違う国で起きたことであっても、自分たちの責任として捉える姿に心を揺さぶられました。

 

私は、日本人として一体何をしてきたんだろう? これから何ができるんだろう?

国なんて関係ない。同じ地球に生きる人間として、違う場所で起きていることも、自分の家族に起きたことのようにシンパシーを持って観る心が、今必要とされている。。

そんな強い思いがわき上がりました。

 

 

イボンヌさんは震災の後、パン・ギムン国連事務総長に手紙を送っています。そこには、日本の惨状を憂いていること、また、同族が所有する2つ目の鉱山で、世界最大の未開発のウラン鉱床「ジャビルカ」の採掘反対をさらに強めていく決意、ジャビルカ鉱床が世界遺産指定のカカドゥ国立公園の一部になることを希望する旨が綴られていました。

 

 

「良かったら円になってお話しよう」というアンドリューさんの提案に、一緒に輪になって本気で事態を改善したいんだ、という優しく強い意志を感じました。

 

 

*レンジャー鉱山は、英国系の採掘会社大手Rio Tinto(リオティント)の子会社Energy Resourcesがミラル族の反対を押し切って運営。ジャビルカ鉱山も同社が賃貸権を有しており、イボンヌさんの働きかけで何千人もの人々が、8ヵ月におよぶ封鎖運動をした1998年以来、放置状態に。その後、粘り強い嘆願が聞き入れられ、準州政府はジャビルカの現状復元を承認し、事実上、開発凍結の運びとなりました。

 

「ジャビルカ」を明け渡せば、約70人の土地所有者は巨額の富を約束されているにも関わらず、ミラル族の人々はこの土地が永久に保護されることを願いました。

ミラル族だけではありません。ウラン鉱山の土地を国立公園に寄付したジェフリー・リーさんというアボリジニの方もいます。

 

一時的な欲で動かない、大地と人間を敬う心が、
彼等に毅然とした態度を取らせています。

 

権力者の決定の裏で涙を流すのは、名もなき存在ですが、そんな存在である私たち1人1人が心からのNOを言うときに、少しづつ事態が変わる。

そう願って止みません。

 

 

学生さんたちの言葉を真剣な眼差しで拾う姿が印象的なアンドリューさん。左、通訳をしてくださったAkinaさんは、Smile with Kidsのお手伝いをしたいと、ご家族でメルボルンからいらした方。Makiさん、小玉さんはじめ「このままではいけない」と動く皆さんに頭が下がります。

 

 

買う者がいるから、ウランの輸出が止まらない。ウラン鉱山の周辺は放射能で汚染され、アボリジニの人たちに被害をもたらしている。日本は被害者であると同時に、加害者でもあります。

何千km離れていても、皆つながっている。その事実をこんな悲しい形で突き付けられるなんて。。

 

もう関係ない、という振りができません。

人々の、そして地球の痛みを「自分ごと」として受け入れて、何ができるのか考えてゆこう、と思います。

まずは事実を勉強しなければ。。

 

 

 

今回、大人の方々が、学生さんの意見を尊重しているのも印象的でした。

「人としての真正に基づき、自分の考えをもつ」若い人達が増えて、それぞれの信念のもとで行動するうち、いつのまにか大きなムーブメントになる。

そんなビジョンが浮かびます。

 

福島の皆さん、アンドリューさん、Makiさん、小玉さん、そして関係者の方々がその姿をもって示してくれた Deep Spiritual Connectionを深く心に刻んだ日となりました。この場を借りてお礼申し上げます。

 

 

●Smile with Kidsさんの招きでいらした8人の学生さんが、それぞれの体験や想いを発表した動画があります。原発事故をくぐってきた彼等の強く崇高な魂が、これからの日本、いえ、世界をも少しづつ、静かに変えてゆく。そんな気がしてなりません。ぜひこちらのページをご覧ください。

https://www.facebook.com/smilewithkids/

 

●アンドリューさんが所属するオーストラリア環境保護基金のサイト
https://www.acf.org.au/

●共同プロジェクトとして福島の学生さんを引率されたNPOアースウォーカーズのサイト
http://earthwalkers.jp/index.html

●自分の意見を持つ参考として。
「原発がどんなものか知ってほしい」〜原発に現場監督として20年携わり、真実を語った故・平井憲夫さんのサイト
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html

幸せのヒント

マーフィー恵子


パウチ店主・パウチトラベル主催。オーストラリア、ケアンズに20年以上暮らしています。現地情報誌発行人を経て、現在は「ピュアな自分に還る」をテーマに活動中
● 詳しいプロフィール