ノーサイドの美しさ

  2019/09/30  やまと精神

ラグビーワールドカップ。海外にいて、生の空気を味わえないのは残念ですが、ニュースや動画をネットで追いかけてます。

昨年ケアンズに視察でいらした神奈川県議の先生お2人が、この大会の運営に深く関わっていらっしゃることもあって、日本ではメジャーなスポーツでないラグビーがどこまで盛り上がるか、勝手ながら少し心配だったんですよね。

ところが、始まってみたらそんなのはとんだ杞憂でした。

 

息子が5才からラグビーをしていたので観戦は好きです。

 

ネットでみているだけなのに、感動して思わず涙も。

それは、日本チームの心意気や戦いぶりの素晴らしさはもちろんのこと、関わる人全体に、人生、いえ世界平和に続く大切な在り方を見せてもらったから。

境界線なき世界 〜ラグビーで言う「ノーサイド」〜はこんなにも美しいと。

皮切りは、ウェールズの代表選手を迎えた北九州1万5000人の方々が、公開練習でウェールズ国歌を合唱。トンガの選手をホストした島原の皆さんも、彼らの国歌を合唱されたというニュース。(他の土地の皆さんも次々に斉唱されていったと後で知りました)

精神的に大変なアウェイの試合でそんな態度を示されたら、誰でも嬉しいですよね。

日本チームももちろん応援するけど、はるばる海外から来た選手をもてなしたい、応援したいというシンプルで温かい心。

自分の国じゃないから関係ない、という態度が作るのは区別、「あなたは私で私はあなた」というボーダーレスな考え方が創り出すのは安らぎ。。

押し付けがましさも計算もなく、すっと沁みる。

 

ニュージーランドの選手が試合後に、観客席に向かって深々とお辞儀をした姿も話題になっています。

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. 勝利したニュージーランド代表、ファンにお辞儀で挨拶です✨ #NZLvRSA #RWC2019 #RWC横浜 #Rugby #Rugbygram #Sport #ラグビー

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主将は「日本の人たちとできる限り、緊密につながることが僕たちにとってとても重要なこと。皆さんからの愛を少しでも少し返したい。」と言ったそうです。

ニュージーランドに続き、イタリアやアイルランド、イタリア、サモア、ナミビア、ウェールズの選手たちにも、お辞儀は広がりました。「勝敗関係なしに」。

ロッカールームの掃除をする選手たちも増えているとか。

国に関係なく選手を歓迎する日本。そんな、相手への思いやり、尊重が自然に伝播していることに心が震えます。

文化や価値観は違っても、人として大切なことは受け取り合えるんだと。。

 

日本のマイケルリーチ主将が、対戦相手のロシアの選手に試合後、日本刀をプレゼントしたというニュースもありました。

プレゼントした時の画像がロシアのラグビー公式ツイッターに流れたあと、人々は負けた自国チームを蔑むどころか、「君たち(ロシア)は世界に感動を与えた」と賞賛を送っています。

 

お互いを敬うノーサイドの精神は絆をうみ、世界から争いを無くす。

そう思いました。

 

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日本に流れる「和合禮道」と言う言葉をご存知ですか?

「人は同じ立場の八百万の神」とする禮道が、和合(世界平和)につながるという考え方です。

天照大神が岩戸の後ろに隠れられてこの世が真っ暗になってしまった神話。岩戸を開くために、まずは祝詞と言う祝い(褒め)言葉が作製され、その後、神楽が舞われて、人々の楽しげな笑い声につられたのが、天照大神がお出ましになったきっかけでした。

そう、世の中は楽しさと共に明るく開いたのです。

和合する新しい時代の幕開けは、褒め合って礼を尽くすことから。

その一編をラガーマン達とファンの皆さんが体現してくれています。

 

 

エディ・ジョーンズ前日本代表ヘッドコーチが就任した時、チームを強くするために、日本の野球チームを世界一に導いた原監督に話を聞きに行ったという逸話にも、日本人の美徳が記されています。

(+「相手を知ること」はいい仕事をする上での基本ということも改めて教えてもらった。)

彼が出した日本人ラグビー選手の強みは「言われたことはやる。犠牲心がある」の2点。

当時、五郎丸選手は「何だ、そりゃ?」と思ったそうです。一方で、初対面の挨拶を拙い日本語でしたエディ監督は、どんな態度よりもリスペクトを示したとも。

選手たちは、本当に言われた通りに、信じられないくらい厳しいトレーニングメニューを来る日もこなしました。

そこには「日本のラグビーを変える」という共通認識があったから。

「驚かせるんだ、歴史を変えるんだ。日本代表が世界の舞台で結果を残せば、日本の文化は変わる」――エディ・ジョーンズ氏の言葉です。

フィジカル的にも技術的にも歴史的にも他国に劣る日本のラグビーは勝てない。その思い込みをぶち破りたい、そんな大義があったから、選手たちは頑張ったと言います。

何人かの選手のインタビュー動画を見ていて、犠牲心とは「チームのために、自分がやるべき仕事をしっかりやる」、捧げる心のことなのだと分かりました。

 

大きな共通の目的のために、同じ志を持つ仲間と進む。

自分の役割を果たす。

エゴを消して全体に捧げる姿は、最高にかっこいい。

 

 

オーストラリアのラグビー(リーグ)を代表するサーストン選手。引退後は先住民の青少年たちの自立を促す団体を立ち上げたり、僻地と結ぶ航空会社のオーナーになったりと変わらずの人徳者です。ケアンズで偶然遭遇した時の1枚。

 

 

最後に、ミスターラグビーと呼ばれる平尾誠二さんのこと。

これまで存じ上げていなかったのですが、高校時代に全国制覇され、同志社大では中心選手として当時史上初である大学選手権3連覇に貢献。人気ドラマだった「スクール・ウォーズ」のモデルにもなった方。

神戸製鋼に所属すると日本選手権7連覇を成し遂げ、W杯には第1回の1987年から3大会連続出場。91年大会は、日本のW杯初勝利に貢献し、史上最年少の34歳で日本代表監督に就任されています。

神戸製鋼ゼネラルマネジャー、日本ラグビー協会理事、日本サッカー協会理事、ラグビーW杯2019組織委員会理事なども歴任され、2016年に53歳という若さでお亡くなりになりました。

 

引用:https://www.asahi.com/topics/word/%E5%B9%B3%E5%B0%BE%E8%AA%A0%E4%BA%8C.html

 

「彼のキーワードは『自由』です。ラグビーボールは自由の象徴だと話していました。ボールを獲得すれば自分たちに攻撃権があり、自由にラグビーができると。」

神戸の丘の上にある墓石にも、自筆の「自由自在」の文字が刻まれているとのこと。

親しくしていたサッカー元日本代表監督の岡田武史氏に語ったという「俺はスポーツから日本の社会を変えたいんですわ」という言葉。

そのスピリットは、自国開催のワールドカップ全体に流れているのではないでしょうか。

 

崇高な精神は受け継がれていく。深く、遠く。

そしてお辞儀の輪がさざ波のように広がったように、やわらかなリスペクトは水平に。

 

十時が織りなす世界が、ラグビーという競技を通して、大調和の国・日本で繰り広げられていることが、天の計らいのようでもあり、美しい偶然のようでもあり、とにかく胸を打たれる今回のワールドカップです。

 

 

やまと精神

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