日本語は世界に類を見ない調和の言語

  2019/09/07  やまと精神

私が人生の半分以上暮らしているオーストラリア、ケアンズは海と山に囲まれています。(しかも、グレートバリアリーフと世界最古の森という冠つきの)

当たり前になってしまいましたが、両方があるってとても贅沢なことだと思います。

先月訪れた淡路島も、海と山に囲まれた素敵なところでした。

日本に1ヶ月もいるならどこか旅行しようかな、でふっと浮かんだ淡路島。その日にケアンズのカフェでお会いした方が、淡路産玉ねぎを使ったお土産をくださって、まるで呼ばれたような気持ちになり「行こう」と決めました(笑)。

 

 

淡路島は、古事記によると、国土創生の神、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)が最初にお生みになられた島、つまり日本と言う国が始まった場所です。

日本創成の地ってどんな所だろう?と興味津々でしたが、自然がとても美しい、素朴な印象の島でした。海の幸も山の幸も美味しく、海を眺めながらの温泉も最高!

安藤忠雄氏が設計したと言うホテルや、奇跡の星植物園も素晴らしく、観光を満喫しました。

 

。。面白かったのは、帰ってきてから。

島を訪れる1週間前、喜多郎さんの野外コンサートに行ったのですが、その時の楽曲が「古事記と宇宙」をテーマにされたものだったと気がつき。

アマゾンから届いた本の中に、ヒカルランド出版「古事記と言霊百神」があり。(欲しいものリストに入れていたようで、自分でも忘れていた)

今まで特に興味のなかった「古事記」が一気に目の前に現れたのです。

 

旅の最中はキレイだな、楽しいなとぼーっとしてることがほとんど。帰ったあと、訪れた地で受け取ったことを生命の樹に書き込むと、気づきやシンクロが起こり始めます。旅の思い出とは一味違う記録になる、この生命の樹を「ソウルジャーニー・ログブック」と名付けました!

 

加津間広之氏が書かれた同書は、日本精神の超奥底を五十音から紐解いており、こんなこと開示していいの?と驚く内容が盛りだくさんのすごい本。

古事記はただの神話でなく、言霊で読むと別の意味が立ち上がり、宇宙の法則が描かれているのだと知りました。

日頃私たちが何気なく使っている言葉の深さに感動したので、シェアしますね。
(太字は私がつけたもので、中略させていただいている箇所もあります。興味のある方は、原文に当たってください)

 

神とは働きのことです。古来、八百万の神として尊ばれてきましたが、これは言い換えるなら八百万の働きです。森羅万象の尊い働きのことを、先人たちは神と称したのです。

そして言葉が神であり、日本語の五十音は一音一音が神であるといっています。このことを記しているのが実は古事記なのです。

言葉が思想を作ります。そして森羅万象を認識し、説明し得るのも言葉です。

日本語は、言霊の原理に則った他に類を見ない完全な言語です。

五十音言霊に通じることは、森羅万象を貫く宇宙法則に通じることに等しく、靈知り(聖ひじり)と呼ばれました。聖とは、耳と口の王と書くことも、言霊の原理をよく表しています。

 

 

有難うの言霊が云々と言うレベルの話ではありませんでした。。五十音一つ一つが神(森羅万象の働き)を表現したものだったなんて!

しかも、加津間広之氏は「五十音を使いこなしている私たち自身は神。パワースポット巡りをするのであれば、そのパワーが自分自身の中にすでに備わっていることに着目すべき。」だと述べておられます。

 

「ア」の次元は、感覚(入力)、感性(フィルター・個性)、感情(出力)。感性の次元から、始まりに戻ろうとします

「オ」の次元は、経験や記憶など、過去の蓄積による経験知。知性の次元から、宇宙の仕組みを知ろうとします

「ウ」の次元は、物質世界で肉体を維持する上で必要な生理的欲求。(肉体=行動なので、動詞は「ウ」の段で終わる。)「ウ」は、欲の次元から陰陽合一の一体感を得ようとします

「エ」の次元は実践智。「ア」「オ」「ウ」を踏まえて最善なる未来を選ぶ。道徳的選択の次元から、自他同然のワンネスの境地に至ろうとします。「エ」の次元である利他の精神宇宙で生きることが「天岩屋戸開き」の神髄。

「イ」の次元は生命意志や創造意志。宇宙法則そのもの。「ア」「オ」「ウ」「エ」の4つの次元は、生きる意志があってこそ成りたち、「イ」がそれらを駆動させる原動力になっている。

五十音図は、単なる平仮名やカタカナの早見表でなく、精神宇宙を表す曼荼羅でもあるそう。

縦軸は「宇」=空間で、横軸は「宙」=時間。つまり五十音図は、私たちが宇宙と呼ぶ「時空間」を表しています。

私たちが習ったアイウエオ、カサタハナハマヤラ以外の並べ方があり、それら五十音の配列の違いが異なる時空間、精神宇宙を表すとおっしゃっています。

 

下は、「天津太祝詞音図」(同書92ページに掲載)

 

これを読み解くと

ア行 「アイエオウ」と言う「エ」を中心とした道徳的選択の精神宇宙

タ行(チ) 心の中心より創造された価値観により
カ行(キ) 対象を搔き集めるとともに
マ行(ミ) 対象に向かい
ハ行(ヒ) 表面に拡がり
ラ行(リ) 螺旋状に拡散した後に
ナ行(ニ) 中心に煮詰まり
ヤ行(イ) 持続して至った力動は
サ行(シ) 再び心の中心に静まって
ワ行    完結する

五十音図は奥義の構造になっていて、最下段が「要」となって「ア行」と「ワ行」を開閉。「要」=「神名目」。五十音図こそが言霊の奥義(扇)と書かれています。

 

一方、現代社会は「ウ」である欲の次元を中心とし、「オ」の科学技術が要になっている「天津金木音図」の精神宇宙であると言います。実はこの天津金木音図が、私たちが習った五十音図なんです。

 

天津金木音図を肉体を維持するために食することに当てはめてみましょう。

ア行 「アイウエオ」と言う「ウ」を中心とした精神宇宙は

カ行(キ) まず対象(食物)を掻き集めて
サ行(シ) 食することで衝動が静まります
タ行(チ) 中枢より発動される身体のシステムにより
ナ行(ニ) 煮詰まり消化され
ハ行(ヒ) 身体全体に拡がり
マ行(ミ) 身体の各器官に向かい
ヤ行(イ) 持続して至った後に
ラ行(リ) 螺旋状に戻って再び食を求めることを
ワ行    繰り返す

食することで満腹になっても、また空腹になります、つまり「カ行」とラ行の間をカラカラと回ることで肉体(カラダ)を維持し続けているのです。

しかし、この天津金木音図を行き過ぎた利己的な欲に対して駆動させると、カラカラと際限なく回り、足るを知らない無限ループに陥りかねません。それが弱肉強食の世を生み出し、「もっともっと欲しい」という現代の産業構造になっています。

だから天津金木音図を、天津太祝詞音図に変えなさいと言っているわけです。

岩とは、「五葉」または「五十葉」です。五つの母音、または五十音を指します。

「天岩屋戸」とは、五十音の戸です。天津太祝詞音図の精神宇宙を開くことが「天岩屋戸開き」であります。

 

衝撃的でした。

始まりと終わりは一対で、開いた扇の中の配列を私たち自身が創るんだ。。

 

 

古事記では、至るところで「海と山」の対比がなされます。「海」は「生み」出す原理です。そして「生み」出されて具象化したものを「山」と表現しています。

伊邪那岐命と伊邪那美命が、海の中を天沼矛で掻き回して出来た淤能碁呂島(おのごろじま)は「海の幸」です。

淤能碁呂島(海の幸)とは、量子論における波の状態でもあります。可能性の波の中から一音一音を粒として具象化させ、五十音図(山の幸)となるのです

 

海から山への創造原理!

山=八間で、ア行からワ行の間の8つの間、つまり五十音。

「天岩屋戸」の岩も五十音でした。古事記は、様々な隠喩で語りかけていたのです。

何を思い、どんな行動するかを選ぶことができる私たち人間は、より良い世の中を「創造」するために、叡智が詰まった身体を使って、天津太祝詞音図の配列でその間を埋めるべき存在なのですね。

 

幸せは、元々は「仕合わせ」と書きました。「仕」はサ変動詞「為る」の連用形「し」の当て字。「ア」(陽)と「ワ」(陰)を一つに合わせる。

幸せは陰陽合一のプラスマイナス0の次元のことを言い、その要となるのは「する」すなわち「行動」

色々なところで「行動が大事」と聞くのは、

ニュートラルな心持ちで天津太祝詞音図の世界観を創るという、人としての本当の幸せにつながるからなんだと納得しました。

 

私が今回、日本で一番惹かれた火之御子社に祀られている天宇受売命(アメノウズメノミコト)は、行動の神様でした。

 

漢字は言うまでもなく、中国から来た文字。それを元々あった日本語に当てていった私たちのご先祖さまは懐が深い。排除も上塗りもせず、上手に融合させてしまったのですから。

本来の五十音の観点からは弊害があるけれど、漢字は表意文字としては興味深いと加津間広之氏はおっしゃっています。

例えば「神」と言う漢字は、「示し申す」から来ていて、言葉が神であることを連想させる。

「申」と言う漢字は稲妻を表したもので、稲妻によって稲(五十音)は実る。

(雷(かみなり)も神が鳴っている様から来ているのかも)

生命の樹は、神の意志が閃光となって地上に降りた図(稲妻)だと言われています。小西温子先生が「生命の樹は、間(あいだ)術」とおっしゃっていたのも、五十音の扇(奥義)と同じ!

 

「神」と言う文字について、他にも大切なことが書かれていました。

それは、感じる=神知る。

私たちは、情報に振り回され、過去に囚われ、未来を憂いてしまうなど、主体性を欠いてしまいがちだけれど、感じること(「ア」)は、神知るにつながるのだと。

今此処を感じ切ること、中今を生きることが、1人1人の天岩戸開き

 

しめ縄は、伊奘那岐と伊邪那美が一体となった創造意志を表し、紙垂(しで)は8つの父韻を表すそうです。十六弁菊花紋は天皇家の紋章。かつて天皇(すめらみこと)は、世界を16万位に分割してそれらの声を聞いて(菊)世を統べていたと言われます。16は、天之御中主神に始まって16番目に生まれた神が伊邪那岐神のこと。

 

五十音の奥義は長く封印されていたのですが、明治天皇が気づかれて、研究が進められていったそう。

天皇(すめらみこと)が世を統べるために代々継承されてきた言霊学(ことたまのまなび)が、現代になって一般に出回るようになったわけです。

私がここ最近講義を受けた、カバラ・生命の樹も、元々は帝王学として口伝されたものだったし、武学も同じくトップに立つ人だけが学んできた門外不出の学問でした。

脈々と、大切に伝えられてきた奥義が、一度に出てきている今。

奥義を知った私たち1人1人が、共存共栄の世、天津太祝詞音図の精神宇宙を創る担い手になりなさい、と時代が呼びかけているのかもしれません。

 

 

最後にもう一つ、同書から勇気付けられる一節を。

世界に賞賛される日本人の国民性は、日本語と切り離せません。

日本語は世界に類を見ない調和の言語です。調和の言語が調和の思想を持ち、調和の文化を紡ぎます

日本語は、父韻と母音の結びによる「しあわせ」の言語なのです。

 

これから、「ア」の世界に浸りに、キャンプに行って来ます!

やまと精神

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