オーストラリア・ケアンズ産のカカオから作られるシングルビーンのチョコレートができるまで。

もうすぐバレンタインですね。オーストラリアでは、この日、男性から女性にプレゼントを贈るのが一般的ですが、日本では何といってもチョコレート!

 

そこで、最近パウチでも人気が高まって来ている地元産のカカオと砂糖から作られたチョコレートについてご紹介します。

 

多くの方が驚かれるのが「え?オーストラリアでもカカオが採れるの?」ということ。

カカオというと、大抵南米やアフリカを思い浮かべますが実は、ここケアンズエリアでもカカオが栽培されています。

 

カカオが育つには、平均気温27度以上で年間の気温の落差が狭く、平均日照時間が1日5〜7時間で、降雨量は年間2,000mm以上の高温多湿といった条件が必要です。土壌や土質は、ローム層系の粘土質40%以下の水はけの良いところが好ましいため、赤道をはさんで南北緯20度の場所が栽培地となります。この層に沿って、原産地であるアメリカからアフリカ、東南アジアへと広がりました。

 

ケアンズの気候がカカオの栽培に適していることはわかっていたのですが、テスト不足や害虫、労働賃金のことなど、途上国と比較して超えなければならない問題が多々あり、なかなか実現には至らなかったそう。

 

10年以上がかりで、地元のカカオ農家や国家研究機関であるCSIRO、政府の専門家によって問題が解決されてゆき、革新的な農法とプロセス法が導入されて、カカオ栽培ができるようになったという経緯があります。

 

オーストラリア初の Tree to Barチョコレート会社の誕生

そんな動きの中、オーストラリアの農家がまだやってないことをやろう!という荒削りなアイディアから「地元のカカオで、最高級のチョコレートをつくる」しかも、「環境保全や地元貢献も意識したやり方で!」という高い志をもった農家さんが集まって、2011年、Daintree Estatesという会社が誕生しました。

 

 

 

Daintree Estatessは、オーストラリアで栽培されたシングルオリジンのカカオ豆の栽培から発酵、そしてチョコレートの生産までを手掛ける、オーストラリア初の会社なんです!

 

今、日本ではBean to Barが流行ってきているようですが、こちらは、世界でも稀な

Tree to Barチョコレートです!

 

 

 

経営に参加しているのは、実際にカカオを栽培している地元の農家さん。

共同経営という形を取っているから、カカオを育てて終わり、じゃなく、チョコレートにして売れるまでを1人1人、そして地域全体で責任を持って関わっているのが特徴です。

 

 

 

株主のほとんどはこの地区の農家さんの3代目か4代目。地元に根付き、この地区を愛し、環境保護にも情熱を持つ方達なので、美しい世界遺産エリアに農業が与える影響を最小限に留める努力をされています。

持続可能なオーストラリアのアグリビジネスの優れたモデルケースと言えるでしょう。

 

革新と努力と協力と地元意識。。

栽培して売って終わりじゃない農業。

 

 

これからの時代、食べ物を作れる人は最強。大変な思いをして育てた農作物を安い値段で農作物を売っていた農家さんがサプライヤー側に回ったら、更に最強。Daintree Estateは最先端を行くエキサイティングなビジネスだと思います!

 

ケアンズの北、世界遺産の熱帯雨林地区で栽培されるカカオ

カカオが栽培されているのは、ケアンズから北へ80kmほどのデインツリー地区。世界最古の森(熱帯雨林)の保護区が広がっているエリアとして知られています。

 

 

それぞれの農家さんで土壌や日照、雨水とかんがい水の配合などが違い、それがカカオのフレーバーやアロマに反映されるとのこと。

「カカオ豆の風味は、木の周りに育つ果物や花の風味を受け継ぐ」と言われてます。興味深いですね。

Daintree Estateのチョコは、言われてみればかすかにトロピカルフルーツの風味があるような。。

 

 

カカオは最初はこんな小さな苗から。収穫できるのは樹を植えてから4年目くらい。

 

最初は高さ1メートルほどの幹に成長し、そこから3〜5本の枝に分かれます。

 

花から実ができているところ。最盛期は12~15年目だそうです。

 

カカオは、種まきから収穫まで同じ農家さんが担当し、実が熟すと、同じエリア内にある発酵槽に運ばれます。

 

カカオがチョコレートになるまで

 

収穫されたココアビーンはチョコレートにする前に、その風味を一層引き立てるために、発酵→乾燥→ローストという行程をたどります。

 

他国のほとんどの地域ではカカオポッドは手で割られますが、Daintree Estates社はこの行程を機械化。スピードアップして人件費を抑えることと、怪我を減らすことに成功しました。割られると中のビーンズが取り出します。乾燥させる前のカカオビーンは、ポッド全体の約10%の重さ。

カカオビーンの風味を引き立てる最初の行程:発酵。まだパルプがついた状態のものを大きく浅い木製の箱に入れ、バナナの葉で覆います。発酵が始まると、パルプの糖分が酸に変わり、ビーンの科学成分も変化。発酵によって温度は最高で55度まで上がり、酵素が活性されて、チョコレートに味が近付きます。発酵は2〜8日間。発酵時間が短いビーンは、風味は弱いけれど抗酸化作用は高いそう。

発酵後まだ湿っているビーンを、天日干しか機械で乾燥させます。太陽の下で、ゆっくりと水分を飛ばした方が酸味を減らす。最終的な水分は5〜7%になります。

ローストの行程でサルモネラなどの菌が取り除かれます。 ローストの温度や時間のコンビネーションで異なるフレーバーを作り出せる、重要なプロセス。

乾燥とローストが終わると、カカオビーンはニブと呼ばれる小さなピースに。外皮は吹き飛ばして破棄。Daintree Estatesの粉砕器は、粒を均等に砕くことができます。

 

 

この後やっとチョコレートに。チョコレートは30年以上食品/お菓子業界での経験を持つスペシャリストが担当しています。(自社工場での生産に加えて、他州のチョコレート生産工場とも提携。)

 

ニブをコンチェという機械で、時間をかけて練りあげ、フレーバーを完成させていきます。カカオリキュールは、チョコレートを作る上で重要な原材料で、カカオアバターやカカオパウダーは、カカオリキュールを液圧することでできます。

テンパリングで温度を調整し、なめらかでツヤのある、口どけのいいチョコレートができあがり!

 

 

使う砂糖はケアンズ産の粗糖のみ。ミルクチョコレートに使われている乳製品もケアンズ高原産と、最大限地元にこだわった純チョコレートがこうして完成します!

 

Daintree Estates社のチョコは、貴重な純チョコレート

Daintree Estates社のチョコの成分は以下の通り。

ダーク

・オーストラリアンカカオビーン・オーストラリアンローシュガー・カカオバター・大豆レシチン
・ナチュラルバニラフレーバー・カカオソリッド70%

ミルクチョコレート

・オーストラリアンローシュガー・カカオバター・オーストラリアンカカオリキュール・フルクリームミルクパウダー・スキムミルクパウダー・大豆レシチン・ナチュラルバニラフレーバー・カカオソリッド45%・ミルクソリッド20%

 

 

 

色々な産地のカカオや油脂、添加物が混ざっているチョコレートが多い中、Daintree Estatesのは、貴重な純チョコレートなんですね。

 

純チョコレートとは:

カカオ成分としては、ココアバターのみ、またはカカオマスとココアバターのみを原料としているチョコレートをいい、販売上の惹句として使われることが多いようです。【チョコレート類】の表示に関する規格(「チョコレート公正競争規約」全国チョコレート業公正取引協議会制定・公正取引委員会認定)では、「純」、「ピュア」の文言を使用できる場合の基準が規定されております。http://www.weblio.jp/より

 

 

 

左は他社、右がDaintree Estatesの成分比較。カカオの含有量、砂糖の含有量(左57.6g/右38.1g)、左は植物油脂入り/右はカカオバターのみ、。左は添加物色々/右は無添加。左は人工フレーバー使用/右は無使用。こんなに違いがあるんです!

 

 

カカオってこういう味なんだ。と教えてくれたDaintree Estatesのチョコレート。すっきりした味わいで、甘ったるさがなくどれもお気に入り。カカオ70%のダークチョコでも苦みはありません。

 

こんなに色んな行程を経ているのかと思うと。。そして、農家さんが強い意志で立ち上げた会社だと思うと、余計に美味しく感じます。

 

ということで、今回はパウチでも人気の、ケアンズが誇るBean to Barチョコレートができるまでのストーリーをお届けしました。

 

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